11年連続で訪れている夏の鈴鹿。
日本最大のバイクレースといっていいだろう、鈴鹿8時間耐久ロードレースの取材である。
去年は涼しくて途中雨が降ったりで、熱気ハイになれなくて残念などと信じがたいおばかなことをどこぞで書いた。
その罰があたったんだ。きっとそうだ。
前日のビジネス現場であった兵庫県の明石から鈴鹿サーキットへと向かう道のりで、
すでにギンギラ太陽に少々負け気味な俺だった。
夏が好きで、夏に強い、夏生まれ男を名乗ってきた。
が、今年は少々負け気味になっている。
夜中に暑くて目が覚めてしまう。
それでなくても睡眠時間はギリギリに削っているのに、
そりゃーないぜとクーラーをつけて寝てみると体が重くて太陽がつらくなる。
ここのところそんな日々を送っていたからかもしれないが、
鈴鹿サーキットに気持ちが向いていけないほど負け気味な気分の土曜日の朝だった。
歳か?
イヤな言葉が浮かぶほど負けているじゃねーか!!
などと、波のように揺れる気持ちで鈴鹿サーキットに到着したのだった。
さっきまでの負け負け気分を一瞬忘れさせてくれるのは
日本のモータースポーツを牽引してきたこのサーキットの重みだろうか。
気合いが入った…のだが、それはやはり一瞬だった。
あぢ〜い。
言ったところでどうなるわけではないが、あぢ〜い。
良質のアスファルトは照り返しもバシバシと浴びせてくれ
まさにオーブントースター状態で負けそうになっている俺を責め続ける。
やっとの思いでプレスルームに逃げ込み「ふーっ」と息をついた。
この暴力的な暑さの中で取材なんかできるのか?
情けないほどの弱気な俺だ。
とはいえ、ここでしか会わない顔や懐かしい顔はもちろん、いつも会う顔もなんだか新鮮な気持ちでご挨拶。
イベント現場の高揚感からなのか、なんともいい気分で互いに軽口を交わす。
もっとも、こう振る舞えるようになるまで、意外にシャイな俺はずいぶん手間取ったものだよ。
ましてやデビューは昨日書いた調子だったからね。
二輪業界は残念ながら暗い話題が多く、業界を取り巻く変化はすさまじい。
その中に浮かぶ小舟たちは懸命に櫓を漕いでいるのだ。
これもイベント取材の現場がそうさせるのか、暗い話題を払拭しようという気持ちのたくましい言葉が交わされていく。
とくに俺の知り合いたちはネジの外れた人間が多いのか、笑い飛ばしているのがなんともうれしい。
プレスルームで小一時間そんなふうに過ごしながら、徐々に戦闘モードへと突入していった。
続くよーん。
追記
あっ、今日は浅草秘密基地だ。こんがり小麦色のマーメイド、じゃなく俺、待ってます。