本誌連動企画『3番勝負!』には投票いただけただろうか? 今回は根性もののマンガ作品から、キャラクター対決にした。この2日間、出題者である僕より解説を綴ってきた。最終ラウンドとなるのは『ど根性ガエル』からピョン吉と『いなかっぺ大将』から風大左衛門の、異種格闘技戦(!?)だ。さて、皆さんはどちらに思い入れがあるだろうか。双方ともに原作マンガというよりは、テレビアニメの方が印象が強いだろう。
『ど根性ガエル』といえば、まずはオープニングナンバーの出来の良さからすでに成功をつかみ取っている。「この世で一匹」からの怒濤の攻めを続ける曲は、僕らの音楽的センスを自然に磨いてくれた。秀逸なアニメソングはこの他にも数々あるが、これほどめまぐるしく展開する曲はそうそうなく、名曲と呼ぶにふさわしい。
ピョン吉の根性ぶりはカエルながらあっぱれで、平面ながらどこまでも突っ張る姿勢には、少なからず後の生き方に影響を与えた(笑)。全体に流れている雰囲気が、自分の育っている東京の下町なのがしっくりときていて、梅さんの江戸弁と寿司職人ぶりがたまらなく好きだった。ピョン吉もカエルなのに妙に江戸っ子ぽくふるまい、粋でいなせなカエルなのがいい。イキイキと元気でキレのいい作品で、人情たっぷりのストーリーは心にあたたかく残っている。
『いなかっぺ大将』も同じくオープニングナンバーが秀逸である。こちらは楽曲というより、天童よしみ(吉田よしみ名義)による歌唱が素晴らしい。当時中学生というから驚きであるが、現在の高みを極めた歌いっぷりを聞けば納得でもある。パンチの効いた数え歌は、ほとんどの昭和40年男の中にインプットされていて、きっと完璧に歌えるのではないだろうか? こちらも人情味あふれる筋書きで、全国の子供たちに東北なまりを浸透させた功績は大きい。
ニャンコ先生が大活躍するあたりは『ど根性ガエル』との共通点かもしれず、ピョン吉 vs ニャンコ先生の対決も面白かったが、テーマがド根性ゆえに風大左衛門にした。すぐに大粒の涙をたらすが、根性も見上げたキャラであり、僕らと同年代の男の子が、花の東京で孤軍奮闘する姿には勇気と元気をもらったはずだ。ちなみに、最新号の連載特集で取り上げた『タイムボカン』で監督を務めた笹川さんが、『いなかっぺ大将』でも総監督を務めている。昭和40年男は、笹川さんにずいぶんとお世話になっているのだ。
さあ、東京を舞台にした人情ドラマのど根性キャラ2人(いや、1人+1ガエル)に、皆さんで決着をつけてくれ。コメントも大募集だぞ。
共通点って言ったらなんといっても、アニメで主人公の声が同じなわけで。