『ドカベン』と『プレイボール』。

本誌連動企画『3番勝負!』には投票いただけただろうか? 今回は根性もののマンガ作品のキャラクター対決にしてみた。昨日に引き続き、出題者の僕より解説を綴らせていただこう。第2ラウンドは、『ドカベン』を代表して山田太郎と、『プレイボール』からは谷口タカオの両名の対決だ。野球世代の昭和40年男にとっては、どちらに思い入れがあるだろうか。

山田太郎『リングにかけろ』が『週刊少年ジャンプ』の部数アップ牽引役となったのと同じように、『ドカベン』は『週刊少年チャンピオン』をスター漫画誌へと引っ張りあげた立役者だろう。当時のチャンピオンの勢い溢れた作品群の中にあっても目立つ存在で、常に次号への期待を強く持たせた。1話で1球も投げないなどと揶揄される引っぱり方は、アニメでも同様にイライラしたが、それ自体が期待にもなっていたのだ。

山田太郎の魅力は「男は黙ってサッポロビール」キャラなことに尽きる。あの体格と無邪気な笑顔、内に秘めた闘志は、男の中の男とはこうしたヤツなんだと水島先生からのメッセージであり、その男っぷりは『あぶさん』にも通じる。男だったら皆憧れるタイプじゃないか。畳屋を懸命に手伝う姿ややんちゃな妹をかわいがる姿は、日本人の心の作法を自然と教えてくれたのだった。

名作マンガとはこういうことだといわんばかりの個性的なキャラたちも『ドカベン』の大きな魅力的だ。岩鬼、殿馬の1、2番コンビは、野球マンガ史上最強であり『すすめ!! パイレーツ』の猿山、犬井コンビとともに永遠に語り継がれることだろう。そして小さな巨人、里中のアンダースローは、阪急ブレーブスの山田久志さんとともに、昭和40年男たちにアンダースローのカッコ良さを教えてくれたのだった。

谷口タカオこれに対する『プレイボール』の谷口タカオもまた、男の中の男キャラである。ひたむきさでは山田太郎と変わらないが、太郎よりも才能の面では大きく劣る。そこがまた僕らに訴えかけたのだ。後輩の五十嵐の方が、体格がひと回り小さいものの才能を感じさせるキャラだったことが、よけいに谷口を魅力的な男に見せる。どんなときもくじけない谷口のド根性にも、僕ら昭和40年男は大いに学んだ。不屈の精神とは谷口のためにある言葉で、それが『プレイボール』そして『キャプテン』の魅力であり教えだった。

走塁がやけに臨場感と迫力があるのも、作品の魅力だ。さらに、スタンドの声援をものすごく効果的に使い、ヤジを含めて実にうまく試合の流れを作り上げている。それらによって、強く感情移入しながら谷口を見守っていた。

さあ、皆さんの一票はどっちだ? ぜひ、コメントと一緒に一票を投じてほしい。

P.S.本日は読者ミーティング『大阪ミナミ秘密基地』を開催するぞ。関西の皆さん、ぜひ一緒に大笑いの時間を過ごしましょう!!

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