本誌連動企画『3番勝負!』には投票いただけただろうか? 今回は根性もののマンガ作品のキャラクター対決にしてみた。ここで出題者の僕より解説を綴らせていただこう。まず第1ラウンドは、『リングにかけろ』を代表して高峰竜児と、『がんばれ元気』からは堀口元気の両名の対決だ。皆さんは、どちらのキャラに思い入れがあるだろうか。
『リングにかけろ』といえば、『週刊少年ジャンプ』をトップマンガ雑誌に押し上げた立役者である。友人とハラハラしながら一週間を待ったものだ。その『週刊少年ジャンプ』を僕は買ったことが無い。正確には1度や2度はあったかもしれないが、小中を通じての親友が発売前日には確実に手に入れていて、それをそのままスライドしてもらっていた。セコい話だが、その友人ももらったものだから遠慮なく回してもらえたのだ。彼が買っていたのなら、いくら小遣いの少ない僕でも「たまには俺が金出すよ」ということになるが、なんでも隣人が印刷関係に携わっていて、何冊かをもらってきては近所のごく数軒にバラまいていたのだ(うーん、なんとも昭和だね)。タダで、しかも発売日前に手に入る夢のような環境下で彼は過ごし、僕のせっつきによりその日のうちに読破して僕に回してくれたのだった。「読み終わったよ」と、わざわざ電話がかかってくることや「買い物ついでに持ってきたよ」なんてお届けの日もあった。互いに家に風呂がないから銭湯仲間でもあり、その帰りに受け取ることもしばしばあった。そんな恵まれた環境で読む『週刊少年ジャンプ』で、もっとも熱くなったマンガが『リングにかけろ』だろう。パワーリストをつければ僕も無敵になれるのではと本気で欲しがり、掲載されている通販ページを眺めてはため息をついたのは、どえらい値段だったからだ。たしか僕が欲しかったのは2,800円だったと記憶しているが、そんな大金の捻出は不可能だった。
高峰竜児のキャラとしての魅力は、なんといっても“普通”の少年だったことに尽きる。後の『はじめの一歩』も同じパターンといえる、天才剣崎(同じく天才宮田)の存在があるところに、少しずつのし上がっていくのがなんとも痛快で、次々と身につけていく必殺技やライバルとの切磋琢磨に熱中したのだった。が、だんだん話が大きくなりすぎて、僕は後半は読むのさえやめてしまった。これにはタメ年男たちから「むしろ後半じゃろが」と異論反論が届いたのだが、皆さんはいかがだろうか?
一方の『がんばれ元気』は、絵が嫌いだった。元気の顔がイヤだった。加えて『週刊少年サンデー』は『週刊少年ジャンプ』のような恵まれた環境になく、しかも『週刊少年チャンピオン』より見劣りがした。『週刊少年チャンピオン』の2日落ちのものを、古本屋で50円で手に入れるのが精一杯の僕には、到底手が届かなかった。アニメも特に注目することなくそのまま流していたのだが、持つべきものは友である。高校時代のこれまた親友が全巻を持っていて、そいつの家でたまたま手を出したら面白いじゃないかと全巻借りた。ちなみに今も返してなくて、先日あった同窓会で返せと突かれたたのだった。今度の同窓会で、重い全巻をホントに持っていってやろうと企んでいる。
ボクシングマンガの最高峰『あしたのジョー』と並ぶ…、とまでは言わないが、好きなマンガベストテンには間違いなく入る。海堂卓や関拳児との死闘は素晴らしく、涙なしでは読めない。またその他の多くのキャラが魅力的で、のぼるくんや芦川先生、火山尊などなど実にいい。のぼるのお母さんなんて最優秀助演女優かもしれないし、同じくのぼるのバイト先の親父もピリリと山椒のように効いている。その中にあって元気の魅力ったら、やはり人間臭くてステキだ。読む前はあんなに嫌いだったのに、今じゃすっかり好きな顔になっているから不思議なものだ。
と、僕にとってはそんな原風景がある両者であるが、皆さんにとってはどうだ? 投票と一緒に、ぜひメッセージなんかも添えていただけるとうれしい。
P.S.明日は『大阪ミナミ秘密基地』を開催します。もちろん僕も参加して騒ぎますから、ぜひ皆さんふるってご参加ください。
自分もリングにかけろは前半の、ブーメランフックが出るところあたりまでがピークでしたかね。パワーリストも買いましたよ、ええ。その後も最後までリアルタイムに読みましたが、ワザのネーミングセンスにだけはひたすら感心してました。特にドイツJr.の時なんか、もっともらしい理屈までつけてましたからねえ。よく考えつくもんだと、ただただ感心するのみでした。
がんばれ元気は自分も高校あたりに友人が持ってたコミックを一気読みしてすっかり好きになってしまいました。回を追う毎にどんどんおもしろくなって関拳児との死闘でピーク。素晴らしい作品だと思います。
コメントありがとうございます。ビックリ仰天の、僕と完全にシンクロですね、ハハハ。