暦は今日より8月だ。真っ黒になって遊んだ夏休みの残像のおかげか、なんとなく気分よく過ごす日々が続く。ところがお盆を過ぎたあたりからだんだんブルーになり、25日を過ぎたあたりからは、日付を見た瞬間にいまだイヤな気分になる。これも夏休みの残像で、放置しっぱなしだった宿題に苦しめられたからだ(笑)。夏とともに成長してきた僕らだから、いくつになっても目一杯楽しむ気持ちだけは持ち続けたいものだ。
つうわけで、昭和40年男が夏に親しんだ曲は何だろうとチャートを眺めてみた。歌謡曲に興味を持ち始めた昭和50年あたりから見ていき、まず引っかかったのは、昭和52年のオリコン年間チャートナンバー1のピンク・レディー「渚のシンドバッド」だ。第二次サーフィンブーム直前でありながら、ボードを抱えているセクシーなお兄さんが活躍するあたりはさすが阿久 悠さんワールドですな。僕自身「S.O.S」と並んで、ピンク・レディーの中でもっとも好きな曲だ。
そしてこの翌年は、中1になった僕らにとって印象的な夏ソングが多い。サーカスの「Mr.サマータイム」と永ちゃんの「時間よ止まれ」は、なんとも大人への階段を上りたい僕らの気持ちをわかっているように背伸びさせてくれた。大人になったら「汗をかいたグラスのジン」を、カッチョよく飲むんだと誓った僕だ。さらに昭和40年男の心を夏色に染めてくれるのが、サザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」だろう。『ザ・ベストテン』で短パンで歌った姿がそのままに残っていて、茅ヶ崎の夏を描いた曲はそれまで聴いたどんな曲とも違っていた。今も一線で走っている彼らのデビューを目撃したこの夏を忘れない。
続いて昭和54年にいくと、強烈なのはツイストの「燃えろいい女」ですな。資生堂のキャンペーンソングといえばこれでしょう。それともうひとつ、南こうせつさんの「夢一夜」に僕はなぜか夏ヒットのイメージを持っていた。一夜って刹那な感じや、脱ぎ散らかしてしまった絹の海が夏っぽく感じさせたのだろうか? 実は資生堂の冬のキャンペーンソングだったのだ。続く昭和55年は山下達郎さんの「RIDE ON TIME」でキマリでしょう。マクセルのUDのCMが最高にカッコ良かったそのままに、夏の海のイメージが染み付いている。それとブロンディの「コール・ミー」も大ヒットした。あの曲の感じって、夏の真夜中、猥雑な街の人々ってな感じが思い浮かんできてスゴくいい。
昭和56年はちょっと小粒なものばかりで、翌57年には我らがRCサクセションが「サマー・ツアー」を引っさげて、スイカが食卓に並んだ夏のお茶の間を荒らした。夜のヒットスタジオでの大暴れぶりは、17歳を迎えた夏の想い出とともに深く刻まれている。「ビキニスタイル〜抱きしめたい濡れたまま」にはドキッとしたなあ。この年の夏は女性シンガーも活躍していて、アン・ルイスさんの「ラ・セゾン」、山下久美子さんの「赤道小町ドキッ」なんてヒット曲も生まれている。そうそう、サザンの「匂艶 THE NIGHT CLUB」も夏ソングとして強い色を放っている。
これ以降も夏にまつわる想い出の曲が皆さんにはいくつもあると思うけど、年齢的に個人差が大きくなっていくだろう。クルマを手に入れて、彼女を落とそうとドキドキしながら走った海岸線の道で、なぜかミスマッチだった冬の曲だって個人的には夏ソングだ。それとヒット曲を追いかけるのではなくて、自分の好みの音楽を選択して聴くスタイルも確立していくから、昭和40年男にとっての夏ソングを特定しづらくなっていく。音楽との付き合いって、きっとそういうことだろう。
8月1日だからとこんなネタでヒット曲を追いかけてみたけれど、夏らしい大ヒット曲って思っていたより少なくて、年間上位となると秋冬モノの方が多い。やはり悲しい季節の歌の方が、心にしっとりと染みるのだろう。
さて皆さん、今週末土曜日はいよいよ「大阪ミナミ秘密基地」だぞ。今回は夏の想い出をテーマに、題して「C調のナツ♥」で展開するから、ぜひ皆さん自分の心をひっくり返して来場してほしい。えっ、この宣伝のために夏ソングを引っ張り出したって? ハハハ、それもちょっとアリかな。
渡辺真知子 「ホールド・ミー・タイト」だ~!! みんな知らね~だろ~。w
『時間よ止まれ』でシブく決めるのもいいけど、
まだまだ身体動きますんで、
ここはピート・タウンゼントで、ジャンプ☆一発!
There ain’t no cure for the Summertime Blues! アゥ!(>▽<)
あっしはシンデラサマーでござる。