パナソニックは、世界初となる光学60倍ズームレンズを搭載したデジタルカメラ『DMC-FZ70』を8月22日に発売する。
何と言ってもそのウリは、35mm判換算で20~1,200mm(開放F値:2.8-5.9)という幅広い焦点距離を持つズームレンズ。ズーム時に6群のレンズが動く新機構“6群全可動レンズ”を採用することで高倍率化と小型化を両立させている。
広角端では、室内で部屋全体を写したい場合などでも大抵は対応できるであろう画角、一方の望遠端では、運動会や野球観戦などといった場合でも選手1人1人をアップで撮影できるだけの画角となり、日常の使用においてこれで不足することはまずないであろうと思われるすべての画角をカバーしている。また、同社が超解像iAズームと呼ぶデジタルズームを使用すると、画像処理によって解像感を補いながら120倍(35mm判換算:2,400mm)まで違和感なくズーム可能だという。さらに、別売のテレコンバージョンレンズを使えば、1.7倍の光学ズームとなり、デジタルズームとの組み合わせでなんと1万200mm(!)を実現する。この他、被写体に1cmまで寄って撮影できるマクロモードも搭載するなど、画角だけでいえば、もうこれで撮れないものはないといえるほどの多彩な撮影機能を用意している。
一方、望遠撮影に対応して光学式手ブレ補正機能も強化。従来モデル『DMC-FZ48』よりアルゴリズムを改善、検知精度を向上させており、特に苦手としていた低周波域(ゆっくりとした手ブレ)にも対応したという。また、60倍ズーム時の手ブレ補正角度を約2倍に拡大し、ズーム時の撮影でも安定したフレーミングを追求している。
撮像素子は、1/2.3型の1,600万画素CMOSセンサーで、最高感度はISO3,200となっている。ちなみに同社の同カテゴリモデルとして、35mm判換算で25-600mm相当の24倍ズーム機『LUMIX DMC-FZ200』が2012年8月にリリースされているが、これはズーム全域でF2.8という明るさを維持している点で異なるモデルとしており、『FZ70』はこの『FZ200』の下位モデルという位置づけになる。
近年は、携帯やスマホのカメラ画質の向上によって、デジカメにはこれらにない存在価値が求められている。すぐれた描写力をもつ明るい単焦点レンズと大型撮像素子を搭載し、従来の一眼レフにも劣らないほどの撮影画質が大きな流れの一つといえるが、一方であらゆる画角をカバーできるマルチな性能というのも新たな流れといえそうだ。とにかくこれ一台ですべて済むというわかりやすさは大きな魅力となるだろう。
とにかくあらゆる画角でなんでも撮れるマルチな性能を求めるユーザーにとって、最強の一台と呼べそうな本モデル。価格はオープン、実勢予想価格は4.8万円前後の見込みだ。
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