ああ、デトロイト。KISSとマービン・ゲイが鳴り響いている。

「デトロイト市財政破綻」
このニュースが駆けめぐってもう1週間以上が過ぎたことになる。そして、この発表を受けて翌日にはデトロイトモーターショー(北米国際モーターショー)の主催者がコメントを発表した。これはすぐさま日本自動車工業会によって和訳され(ないとわからん)、僕らプレスに届けてくれた。読んだ方もいるだろうが、一部省略してお届けしよう。こんな感じだ。

~デトロイト市の連邦破産法9条の適用はしばらく前から予期されていたことであり、北米国際オートショー(デトロイトショー)には影響はない。ここ10年来の市の状況を考えると、財政破綻の申請は良い決断であり、長年積み上げられた市の負債から解放されることによって、デトロイト市の復活に向けて新たな一歩が踏み出せるよい機会である。それが真の目的である。デトロイト市のデイブ・ビング市長とミシガン州のリック・スナイダー知事の判断は正しく、デトロイト市を窮地から脱却させる手助けとなるだろう。多くの人には驚きであったが、大胆かつ前向きな行動だった。コボセンター(デトロイトショーの会場)は市から独立しており、ショーの機関によって運営・管理されているため、市からの財政支援は必要としていない。デトロイトショーは、デトロイト市を含む周辺地域の公的機関との連携を取っており、今後も取り続けていくが、独立した組織であるためショーの運営や資金に影響はない。一方、コボセンターの3億ドルをかけた改修工事の最終段階である第3段階の工事が来年、間もなく完了するのは興味深い一面である。再度強調するが、コボセンターは地方の独立機関によって運営されており、地域や州の財政から資金援助を受けているためである。今回デトロイト市の財政破綻は世界の自動車メーカーが期待をもって集う会場を提供するショーおよび、毎年ミシガン州南東部に3億5千万ドルもの経済波及効果をもたらすデトロイトショーの開催に何らの影響もない。デトロイトの舞台から世界に製品を発信しける各国の自動車メーカーと共に、これからも協力していく。~とのことだ。

デトロイトショーはいち早くこのように健在ぶりを発表したが、今後影響がどのように世界経済に及ぶか。また、今回の処理についてはいろんな意味で今後への指針となることだろう。コイツは決して対岸の火事でない。今後、注視していきたい。

マービン・ゲイと、そんな恐怖を感じている現在だが、まったく別件で寂しく感じるのが、デトロイトといえばモータウンレコードレーベル発祥の地だから。モータウンとは、モーターとタウンを引っ掛けたデトロイトの通称である。レーベル創始者の熱意の舞台がこの地にあって、市の活況も当時のレーベル運営にいい影響を与えている。72年にはロサンゼルスに移ってしまうが、モータウンレーベルがデトロイトにいた時期の活躍がなかったら、世界の音楽シーンは今の姿と大きく変わっていただろう。黒人音楽をメジャーにさせたことや、独自の音楽スタイルを確立させたことなど、功績はあまりにも大きい。象徴するようにマービン・ゲイの…、というより20世紀の名作『What’s Going on/ホワッツ・ゴーイン・オン』は、デトロイト発で71年に発表されているのだ。

そしてもう1つ、昭和40年男の多く(いや、一部か!?)がハマったKISSの名曲『デトロイト・ロック・シティ』がパッと浮かんでくる。歌詞が最高にロックだね。
「デトロイトじゃクレイジーになるしかない」
「クルマを95マイルでぶっ飛ばす」
「立ち上がれ、みんな足を踏み鳴らしたい」
いやあ、最高っす。ファンでない方々にはバカヤローにしか思えないだろうが、これこそががロックンロールだ。こんなことを書きながら、なんだかデトロイトって街はつくづくロックンロールだなと、ふと思ってしまった。行ったこともない日本人の戯言ですかね。

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