大編集後記その八。吉田拓郎が教えてくれた。

いい週末とするために、まだ『昭和40年男』を購入していない諸氏は書店・コンビニへGoですよ。発売した直後だってのに、コンビニは明日あたりから返本が始まってしまう。今日のうちに刈り取ってくれいっ!!

まだ発売直後にて、懲りずに最新号についての解説、大編集後記をお届けする。創刊第2号から続いている連載特集『夢、あふれていた俺たちの時代。』は昭和50年を切り取った。僕らが10歳を迎えた年だ。

吉田拓郎

この特集では、数々の現象をフラッシュ形式で魅せるページで始まり、後半は編集部では「深掘り」と呼んでいる再検証ページで構成している。今回も魅力的なラインナップでお届けできたと胸を張っている中で、入れるかどうか迷ったページがトリを飾った吉田拓郎さんとかぐや姫その他によるあの伝説のコンサート『インつま恋』である。このコンサートを目撃したという昭和40年男はごくごく少数であろう。それどころか、このコンサートにリアルタイムで注目したというタメ年たちもほとんどいないはずだ。だが、その後の拓郎が僕らに与えた影響と日本の音楽シーンにおけるこのライブの重要度はあまりにも大きいと、今回再検証するに至った。結果、大成功だったと思っている。

拓郎は陽水と並んで、日本の近代音楽シーンの中に燦然と輝く2大巨星である。それ以前も、それ以降も素晴らしい方々によってシーンは常に変化し、我々を刺激し続けてくれた。そう、常に流れゆく音楽シーンを引っ張るリーダーは数多く存在した。最近のシーンではその出現があらゆる意味で難しくなっている。成熟期を迎えたのだからこれを憂いても仕方ない。僕らが経験した黎明期だったからリーダーは革新を引っさげて輝いたのだ。そのなかにあって、拓郎と陽水の功績は誰もが納得するところだろう。その拓郎が成し遂げたに留まらず、日本の音楽シーンの1つの沸点がこのつま恋コンサートだった。僕らの先輩たちが拓郎に何かを求め、拓郎の歌が強い意味を持ったことは、後のミュージシャンに希望を与え音楽の持つエネルギーを大きくさせた。それらの現象が僕らの栄養になっているのだからありがたいことだ。

それにしても、オールナイトで3ステージをこなした拓郎のパワーったら凄まじい。全59曲を歌い、そのラストでぶちかます『人間なんて』は、まさに鬼気迫るというか、人間のエネルギーってどこまで高いところへ行けるんだと教えてくれる。これを感じることで、また俺たちは元気になれるってもんだ。

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1件のコメント

  1. 当時文化放送で中継していたと記憶します。
    しかし、残念ながら寝てしまいました。

    その後、レコードや、CD、DVDで体験しましたが、
    やはり現場にいたかった。

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