昭和40年生まれのクリエイター・伊藤博之が先日パリで開催された『ジャパンエキスポ』で講演会を行ない、大盛況で幕をとじた。
伊藤は、音声合成ソフトウエア『初音ミク』の生みの親で、北海道に本社を構えるクリンプトン・フューチャー・メディアの代表を務めている。同社では効果音やBGM、携帯電話の着信メロディなど、音に特化した事業を展開しており、2007年8月にヤマハが開発した音声合成エンジン“VOCALOID 2”を使った音楽制作ソフト『初音ミク』を発売し、「1000本売れたらヒット」言われるDTM(デスクトップミュージック)市場において、大ヒットを飛ばし、社会現象を巻き起こすほどの人気を呼んでいる。その人気は国内に留まらず、海外でも絶大な支持を得るまでに成長し、音楽のなかでもこの“初音ミクマーケット”を形成しているほどだ。
その伊藤が、7月4日から7日までの4日間、フランスのパリで開催された『ジャパンエキスポ2013』にて講演会を行なった。『ジャパンエキスポ2013』とは、日本文化の情熱的ファンであった数人のフランス人が、フランス国内で未開拓だった日本の漫画や伝統文化などを紹介する企画をしたことに端を発するイベントで、今回13回を迎え、現在では20万人以上の来場者が訪れる一大イベント。そのイベント内で『初音ミク』の生みの親である伊藤が講演を行なうとあって、開催前から国内外でファンの間では「何を語るのか」その動向に大きな注目が集まっていた。
講演会で伊藤はまず自身が代表を務めるクリンプトン・フューチャー・メディアという会社がどのようなものかを紹介。ヤマハとソフト開発に至るまでの話や、『初音ミク』の開発エピソードや今後の展開、クリエイティブ論にまで話は及び、訪れた人たちは熱心に耳を傾けていたそう。ちなみに『初音ミク』だが、8月30日には横浜アリーナにて、初音ミクのすべてを楽しめる文化祭『マジカルミライ2013』の開催を予定しており、Facebookのファンページでは、すでに100万人にも達する勢いで、ファンの間では大注目されている。今後の伊藤の展開に注目したい。
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