昭和40年生まれの映画監督・井上淳一が監督を務めた映画『戦争と一人の女』が全国で順次公開している。
井上は大学在学中に若松孝二監督が設立した若松プロに出入りし、ここで助監督を経験する。その後、若松プロにいた脚本家・荒井晴彦に出会い、弟子入りを志願し、脚本家の道へ進む。1994年に『武闘派仁義 完結編』で脚本家デビューをはたし、以降、映画『アジアの純真』や『パートナーズ』などの脚本を担当するなど、さまざまな作品を手がけてきた。そして現在公開中の『戦争と一人の女』では初めて長編映画監督を務めた。
同作は、GHQの検閲で大幅に削除された坂口安吾の小説『戦争と一人の女』をもとに映画化したもので、物語の舞台は第二次世界大戦末期。先の見えない世の中に絶望し飲んだくれの日々を送る作家と、性に奔放な女、戦場での精神的後遺症に悩まされレイプ魔と化す男…戦争に翻弄される一人の女と二人の男の運命を描き出す。同作は今年3月に大阪アジアン映画祭でプレミア上映され、大きな反響を呼び、東京から公開され、今週から大阪、宮城、山形、福島、岩手…と順次、上映されていく。かねてから戦争を題材にした映画を作りたいと考えていたという井上。その初監督作品に注目が集まっている。
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