ソニーは、35mmフルサイズの撮像素子を搭載したレンズ一体型コンパクトデジタルカメラ『サイバーショットDSC-RX1R』を7月5日に発売する。
高画質コンデジ市場が拡大するなか、その先頭を走るソニーがまたしても仕掛けてきた。昨年11月に発売した『サイバーショットDSC-RX1』から光学ローパスフィルターを除いた仕様だ。
光学ローパスフィルターとは、撮像素子とレンズの間に位置する文字通りフィルターの役割があるもので、布地などの細かい格子模様を撮影したときなどに発生しやすいモアレや偽色を抑える役割がある。光を拡散させる効果があり、撮像素子に届く光をあえてぼかした状態とすることで、その役割を発揮するが、解像感がわずかに犠牲になってしまう。近年は、解像性能を高めるため、あえて光学ローパスフィルターレスとするモデルが一眼レフカメラなどで見られる。また、構造的にモアレや偽色が発生しないタイプの撮像素子なども開発されており、光学ローパスフィルターレスにして解像力を高めようする取り組みがなされている。
この『サイバーショットDSC-RX1R』は、ローパスフィルターを含まない光学フィルターを採用。レンズを通ってきた光の情報をそのままイメージセンサーに伝えるため、解像感や鮮鋭度の点で有利だ。しかしながら、格子状の直線がある人工物の被写体ではモアレなどが発生しやすくなるため、それらをある程度割りきってでも高解像度を求めたモデルといえるだろう。
光学ローパスフィルター以外は『サイバーショットDSC-RX1』と同じ。こちらも引き続き併売されるので、用途に合わせて選ぶことができる。価格はオープンで、実勢予想価格は25万円前後の見込み。