〆切の最中にいて知らなかった。デビュー35周年で5年ぶりの活動再開って、どんだけ幸せなグループなんだ。もちろんそこには、創作という決してカンタンに出来ない作業を常に続けてきたから成せるのだが、日本にとっての宝物ビックバンドがまた“始まる”のは純粋にうれしい。
昭和40年男にとっては『勝手にシンドバット』でのデビューをリアルタイムで見られたのが、なんと言っても幸せなことだ。互いに胸を張ろう。当時はなんちゅう騒がしい連中が出てきたんだって、少なからずみんなビックリしたはず。僕はシングルを買った友達に借りてテープに収めて、それは何度も聴いたものだ。その後バンドで受け狙いのためにこの曲をカバーして、ライブで盛り上げナンバーに使わせていただいたりと、なにかとお世話になっている。今でも歌詞カードを見ないでいけるんじゃないかな。
そんなにお世話になりながら実は僕、サザンにお金を使ったことがなかった。唯一、桑田さんがソロでやったゲリラライブのアナログ盤を持っているくらいで、サザン名義のものでは買ったことが無かった。そんな僕だったが、5年前の活動休止のライブを収録したDVDを購入したのだ。このときはまさかこんなに早く活動を再開するとは思っていないから買ったのに、金返せっ(笑)。でも素晴らしいライブで、実際見てみたら活動再開がこの35周年あたりだなと、短い休止だと予感させる内容の仲睦まじきライブだった。
と、そんななんちゃってサザン愛好家であるから、アルバムを通して聴き込んだのは2枚しかない。初期の作品で『ステレオ太陽族』と『NUDE MAN』を、高校生のときに友達から借りてテープに収め、すり切れるほど聴いた。潮の香りがする音楽っていいなって、雰囲気を楽しむ感じで。とくに『NUDE MAN』が好きで、頭の『DJ・コービーの伝説』とBラス前(懐かしい響きだね)の『来いなジャマイカ』が最高。カラオケでもチョクチョクリクエストするほどだ。そんな好きなアルバムなのに、とくにCDで買い直したりしなくていいのもサザンの魅力だ。ファンの方や関係者各位には怒られそうだが、サザンの魅力はビッタリくっつかなくても楽しいってことなのだ。先のライブDVDはわりと頻繁に見るほどお気に入りなくせに、それ以外の音源を手に入れようとはしない僕は、考えてみればデビューから35年間変わらない付き合いなのだ。きっとこんなファンも彼らは受け入れてくれるはずだなんて勝手に思っている。
それにしても今回のフォルクスワーゲンはうまいことやりましたな。