本誌vol.11の『タメ年のスゴいヤツ』に登場してくれた狂言師・野村万蔵が7月21日に公演する『萬狂言 夏公演』に出演する。
万蔵は和泉流狂言師で人間国宝・野村 萬の次男として生まれる。歴代当主が“野村万蔵”を名乗る野村家は、300年の歴史と伝統を誇り、江戸時代には加賀前田藩のお抱え狂言師として活動し、明治維新後は東京で狂言の名家としてその名を馳せて来た。そして次男であった万蔵は、2000年に、明治時代に絶えていた万蔵家の分家である『野村与左衛門家』を150年ぶりに再興し、『二世与十郎』を襲名。しかし、2004年に万蔵の兄が死去したことに伴い、翌年に『九世野村万蔵』を襲名し、本家の当主となった。以降、万蔵は狂言界の先端に身を置きながら国内での活動はもとより、海外公演や、タレントの南原清隆(彼も昭和40年生まれ!)と現代狂言を開催するなど多彩な活動を展開している。
その万蔵が7月21日に出演するのは『鬮罪人(くじざいにん)』という演目。京都祇園会の山鉾(やまぼこ/山車の一種)の当番になった主人が、町内の人を集め、どのようなものにするかを話し合う。しかし、どの案も太郎冠者が反対。やがて彼の案「鬼が罪人を責める場面」を出すことになり、くじで役割を決めるのだが、鬼を引いた太郎冠者が罪人役の主人をたたき主従の立場が逆転してしまい……という物語。万蔵は太郎冠者を演じる。
また、狂言を初めて観る人向けの公演会『ファミリー狂言会』も開催される。“狂言”と聞くと、難しく観てもわからないんじゃないかと、取っ付きにくさを感じる人もいるかもしれないが、実際に観てみると、決して古くさくも難しいものではなく、理屈抜きで楽しめる愉快な芝居だ。親子で、祖父母とお孫さんとで、家族で狂言を楽しむことができる同公演。まだ観たことのない人は、この機会にぜひ足を運んでみてほしい。
■萬狂言 夏公演
日時:7月21日(日)14時30分開演
場所:国立能楽堂
※『ファミリー狂言会・夏』は同日の11時より開演。
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