パソコンをカバンに入れて持ち歩くようになり、どうしても右肩ばかりにかけるせいか腰痛が深刻になっていた。約1ヵ月前にこんなことを書いたとおりだ。だがまるで、神様はお見通しだと思わせるようにこれを書いた翌日、カタログギフトが届きパラパラとめくっていると3ウエイバックとのこいつを見つけた。手持ちと肩掛け、そして背負えるから3ウエイとのことで、これは腰痛対策になる渡りに船だと『稲庭うどん』の誘惑を振り切ってオーダーしたのだった。クライアントまわりにリュックというわけにはいかないが、これなら大丈夫。届いて約2週間が経過して、まだ完治とまではいたってないが劇的に改善した。
難点は思っていた以上にカッコ悪いこと。背負ったときはこのように見えるのだから、なんともひどい。これを背負って歩いているときは、お姉さんを抜くのを控えている(笑)。
見た目のカッコ悪さ以上に、腰が痛いからってこんなカッコ悪いのを容認してしまった自分が後ろめたいとでもいうのか、なんともよろしくない気分だ。キヨシローさんの曲で、レスポールが重たいからってロックを卒業して髪をきったヤツを揶揄しているのがあったが、同じ種類のカッコ悪さを感じる。「背に腹はかえられない」ってのは大嫌いなくせに、このカバンを背負うことこそまさしくそれで、おっさんそのものだ。こうやって1つずつ失ってしまうのはイカン。
45歳くらいからだろうか、やせ我慢ってヤツを意識するようになり、武器にして生きていきたいとよく考える。いろんな場面で、粋を捨て去るようなカッコ悪い行動の誘惑が増えてきた裏返しなのかもしれない。疲れを見せない。たいていのことは笑い飛ばす。イライラしない。そして、3ウエイバックを使わない(笑)。いや、コイツは許してあげることにして、その分はこれまで以上のやせ我慢でいきたいものだ。
モノ選びってのは生き方を変えてしまうことがある。レスポールの話はちょっとキヨシローさんらしいセンスにあふれている例えだが、バイク選びなんかは如実に表れる。同世代のバイク乗りからよく聞く話で「ちょっと軽いのにして乗り続ける」vs「スケールダウンするくらいならバイクから降りる」というのがある。双方とも長く乗り続けてきて、バイクを愛するからこその分かれる意見だ。どっちも悪くはない。究極の選択であり、生き方の選択なのだ。ああ、3ウエイバック…。