本誌連動企画の3番勝負は『懐かしのアイドル対決』として出題したが、皆さんにとって今回の3組6人以上のアイドルはきっと存在することだろう。事実、僕にとっての一番のアイドルは桂木文ちゃんだ。ただ、いい対抗馬が思いつかず出題を断念したのである。
これまでに聖子ちゃんvs明菜ちゃん、奈保子ちゃんvs芳恵ちゃんの対決に対して僕の私見を述べさせていただいた。今日は3つ目の大勝負となる、現在のところ最も多くの票を集めている石野真子さんvs大場久美子さんについて語らせていただく。2人共、圧倒的にカワイイのが武器だ。その種類というかタイプというか、若干異なるものの、なぜ好きなのかを言葉にしたらほとんどがカワイイからだと答えるだろう。
真子ちゃんのデビュー曲となった『狼なんか怖くない』は、すべての昭和40年男たちにとって鮮烈な記憶でないだろうか? それまでのアイドル歌手にいなかったタイプの女の子が、そのキャラピッタリの曲調にのせて歌った名曲である。作家陣がスゴイ。作詞は阿久悠さんで、1年ちょっと前にピンク・レディーに『S・O・S』で「男は狼だから気をつけなさい」と宣言させておいて、真子ちゃんには「あなたが狼なら怖くない」と歌わせる。言葉の経年変化を作り上げてしまうような、巧みな技とも取れるじゃないか。さらに作曲は吉田拓郎さんで、続くシングル『わたしの首領』も同じコンビによるものだ。編曲には鈴木茂さんと、まるでオールスターである。
そのままスター街道を突っ走っていたところ、長渕剛さんとの家庭を築くために引退したのはショッキングだった。だが引退をキッカケにして実現したかのような、GOROで突然セミヌードになるというビック企画で我々昭和40年男たちを狂気乱舞させたのだった。今も大切にしている方はたくさんいることだろう。僕も愛する文ちゃんのセミヌードの号と一緒に、実家に大切に残しておいたはずなのだが、いつの間にか捨てられていた。今どんな価格で取引されているかを知ったら、きっとお袋は猛省するだろう。
一方の久美子ちゃんはなんといっても『コメットさん』である。ちょうど真子ちゃんがデビューした昭和53年にコメットさんを演じていたのだ。それはそれはカワイイ久美子ちゃんに、番組の内容なんてどうでもよくてかじり付いていた。歌で強く記憶しているのは『スプリングサンバ』で、あまり上手じゃない歌なのも完全に許してむしろ好きだった。この曲がヒットした直後に歌手から離れた期間があり、グラビアで見かけることが多くなり、いつの間にかコメットさんからセクシーな姿にエスカレートしていった。
かつて『昭和40年男』に登場したときは、まったく衰えていない美貌を披露してくれ、当時の質問にも実に気さくに答えてくれたのだった。
この2人の想い出を振り返るときに気付くのは、GOROの存在の大きさである。10代の中頃の僕らにとって最も刺激的な雑誌であり、みんな大変お世話になったはずだ。なんと偉大なる雑誌だろう。
「真子と水島裕のスマッシュルンルン」というラジオ番組を聴いていた覚えがあります。