ブライアン・メイが表紙を飾って、メインは『ブルー・ラグーン』?

ヤング・ギター
このヤング・ギターが出た頃に使っていたギターは残念ながら手元にない。一緒に撮ったコイツは17歳からの相棒で激安コピーモデルだ

実家の本棚に「ギターを弾く若者の月刊誌」とのキャッチコピーが踊るヤング・ギターを見つけた。いやあ、懐かしい。昭和55年の8月号ということは中3の夏で、汗びっしょりになりながらギターの練習に没頭していた日々が蘇る。ギターの上達は、耳で音を拾いながら練習することが一番だと信じていたから、譜面の充実が武器であるヤング・ギターはほとんど買っていなかったはずだ。なぜこれを入手したのか記憶が定かでなく「?」を浮かべながらパラパラとめくってみた。

表紙を飾ったブライアン・メイは完全に客寄せパンダで、誌面にほとんど登場していない。唯一見つけたのはアルバム『The Game/ザ・ゲーム』のレビューにモノクロ1ページを割いているのみだ。ここに寄稿している伊藤銀次さんは、このアルバムで至ったブライアンのギターリフ作りは、ジミー・ペイジなんざはるか彼方だと絶賛し、岩野光邦さん(スピードウェイ/TMネットワークの前身となったバンドでメンバーの3人が所属していた)は、大ヒット間違いなしと絶賛している。おもしろいのはこの対向ページが、ローリング・ストーンズ世紀の駄作(僕すきだけど)
Emotional Rescure/エモーショナル・レスキュー』のレビューなこと。そしてこの文章を我らがチャボさんが書いている。特に褒めちぎっているのが、アルバムのラストを飾る、キースのボーカルによる名曲『オール・アバウト・ユー』である。フッフッフ、僕はついに見つけた。この2年後にリリースされたRCサクセションの『ビート・ポップス』のラストナンバーで、チャボさんのボーカルによる『ハイウエイのお月様』(大好きっ!!)は、『オール・アバウト・ユー』の影響が大きいと睨んでいた。その動かぬ証拠となるほど、興奮気味の原稿なのだ。

この2枚のレビューに続いて、キッスの『仮面の正体』やエア・サプライの『ロスト・イン・ラブ』、ジェフ・ペックの『ゼア・アンド・バック』などと、無秩序に並ぶ。国内勢ではショーケンに山下久美子さんのデビューアルバム『バスルームから愛を込めて』なんかが入り、高橋ユキヒロさんのセカンドソロアルバムなんかが紹介されている。日本のシーンがいよいよ混乱期に突入した時代だというのがよくわかる。そしてそして、RCサクセションの『ラブソディー』も掲載されて大絶賛となっている。チャボさんのギターを褒めちぎっているのがうれしい。

大きな特集をかいつまんでいくと、『ヘビィ・メタル/第3世代のハード・ロック黄金時代』とのタイトルの特集が組まれていて、デフ・レパード/ガール/アイアン・メイデンらがそれにあたるとして、まだまだ後に続いてくると予言は後のシーンを的中させている。連載企画の『アルバム丸ごと1枚徹底分析』なる企画では、ヴァン・ヘイレンの『炎の導火線』を取り上げ、さらにこれも連載の毎号目玉企画としていた『ロック・ギター完全コピー』のコーナーでは、高中正義さんの名曲『ブルー・ラグーン』を取り上げている。まるで音楽の幕の内弁当で、企画自体もいろんなものがごっちゃりと入り込んでいる。こういうてんこ盛りの、雑という字がホントに似合う“雑誌”にふれながら、僕ら昭和40年男は成長してきたのだなとしみじみ思った。

さて、なんでこのヤングギター購入した「?」について。中3というと、ハードロックを中心にギターの練習をしていた頃で、僕にとってはその本道から外れる『ブルー・ラグーン』あたりは譜面を見てサラッとなんちゃってで弾きたかった…と、なんとなくそんな気分だったことを思い出した。それともう1つ、マンスリースコアとの譜面付き企画に、もんた&ブラザースの『ダンシング・オールナイト』が収録されているのも、大きな決定要素だったかもしれない(笑)。それにしてもこの曲、今聴くとド演歌ですな。

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1件のコメント

  1. 前略、s40年4月生まれの50歳です。
    ダンシングオールナイトの検索で貴殿がヒットしました。
    私もヤングギターで育った世代です。
    厚かましいお願いですが、ダンシングオールナイトの楽譜のコピーを頂けないでしょうか?
    対価は払います。ご検討お願いします。

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