ロッド・スチュワートがハジメテのドッキドキ♡

「あんたさあ、ロッド好きだったよね」とは、先週月曜日の『浅草秘密基地』で、約31年ぶりに再会した元バンドメンバーのカオリのセリフだった。これだけの時間が経っても「カオリ」「あんた」と呼び合えるのは、バンドという集合体で本気になったからだろう。高校時代の心が最も変化する時期に、互いに遠慮のかけらもなく言い合いながら“なにか”を築いた仲間だから強い絆である。甲子園を目指す球児のような、本当に真剣なバンド活動だった。彼女が在籍したのは半年程度だったが、音楽を通じて語り合った貴重な日々は棺桶まで持っていける想い出だろう。

ちょいとそれた…。彼女に言われて当時のロッド狂いといったら尋常じゃなかったことを思い出した。それは、今週末に行なわれる『大阪ミナミ秘密基地』でテーマとなっている、『ハジメテのドッキドキ』が起因している。たくさんあるドッキドキの中で、生まれて初めて観たロックコンサートは大きな存在であり、それがロッド・スチュワートだったのだ。

高校に上がったばかりのことだった。直後に脱退してしまったが、この頃のバンドのメンバーで小学生の頃からの親友が誘ってくれた。彼には歳の離れた姉ちゃんがいて、チケットを取ってくれるとのことだった。それまで剣道の試合をする場所でしかなかった武道館で、ロックコンサート観る。しかもあのロッド・スチュワートとはなんちゅう贅沢な話だろうと震えた。後の人生を大きく変えた出来事を親友によって、そしてその姉ちゃんが存在することによってもたらされたのだ。当時の僕の発想では、不良が集まるロックコンサートなんかまったく眼中になかった(笑)。よい友に恵まれたものだ。

『FOOLISH BEHAVIOUR/パンドラの箱』アルバム『FOOLISH BEHAVIOUR/パンドラの箱』を引っさげてのツアーで、このアルバムのイメージとなった黒字に赤丸模様の幕が、天井からドーンとかかっていた。これ以降、何度も武道館でライブを観ているが、幕がかかったライブはこのときだけである。アルバムからのヘビーナンバー『自由への翼』のイントロが流れてきて、少しずつリズムが絡んできてやがて幕が開いた。まばゆい照明が照らされたステージは初体験の小僧を粉砕するには威力満点で、ライブってヤツの魅力に取りつかれた瞬間だった。15歳でこの経験ができたことは、今も本当に感謝している。それまでも大好きなロッドだったが決定的になった。後に一時期、ブルースにハマってしまう重い病にかかり、ロッドのロックなんざ甘すぎるぜと否定したものだが、これは若さゆえの大バカヤローですな。

ロッドの曲からベストワンをあげるのはすごく難しい。長い時間をかけて真剣に悩んでも、優劣がつけられない10曲くらいをセレクトするのが関の山だろう。そのなかでしっかりと君臨するのが『自由への翼』であるのは、あのカッチョいいオープニング体験からだ。後に続くバンド人生で、オープニングにやたらとこだわるようになったのはこのいい影響である。

あのツアーを経験した昭和40年男はどのくらいいるのだろうか。もし観たという方は『秘密基地』で盛り上がりましょう!!

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

1件のコメント

  1. カバーですが
    Some guys have all the luck が好きです。

    ロッドぽくないところがいいです。

    当時はヘアースタイルをチェーカーズじゃなく ロッド風にしてました。

コメントは受け付けていません。