今日はバイクイベントの仕事で那須にいる。カワサキ・コーヒー・ブレイク・ミーティングという、カワサキのバイクに乗った者同士の交流の場にと始めたイベントで、おそらく今日は2000台前後のバイクが集まるだろう(興味がある方は四輪でも参加できるから気軽にお越しください。入場無料です)。
バイクに興味を持った昭和40年男は多いだろう。ちょうど免許が取れる16歳の頃はバイクブーム真っ盛りで、バイクマンガもたくさんあって主人公に憧れたものだ。原チャリがバカスカ売れた時代で、街に溢れていた。当時の販売台数から見ると激減といわざるを得ないが、どっこい趣味のバイクは根強く、特にカワサキはヘビーユーザーが多いからこのようなイベントが成立するのだ。来場者の平均年齢を取ると、おそらく47、8歳になるだろう。これは購買層も同様で、現在バイク需要の中心は我々前後ということになる。バイクブームの影響が色濃く残っているのだ。
さてこのイベントだが、実は今日で99回を数える。記念すべき第1回は、九州の大分県で1998年の春に行なわれた。200人ちょっとの来場者で、今考えるとずいぶんと少ないと感じるが、当時は大騒ぎだった。なんてったって、イベントらしいことはなにもしないというふれこみで、来場者同士のコミュニケーションがイベントの目的ですというもの。なんだ、昭和40年男が開催を続けている『秘密基地』の原点はこれじゃないかとバレバレである。
この初回開催のときに、なんにもしないといってもささやかな賞品が当たるジャンケン大会をやろうとなり、だったらこの進行をやれと言われ、後に続くMC人生がスタートしたのだ。結婚式の司会や、会社設立時の苦し紛れでネルトンパーティなどの主催で司会をやっていたから苦手意識はなく、ごく気軽に引き受けたのだ。時は流れて16年目を迎えた今日まで1度も外れることなく、これまでにのべ10万人以上のバイク乗りにしゃべっている。またこのイベントがキッカケなり、他のバイクイベントでもMCの仕事は年々増えているのだから、人生ってヤツはどう転がっていくかわからんものだ。あの日引き受けていなかったら、今ほどのMC仕事を受け持つことにはならなかっただろう。
乱暴に、かつ不愉快にさせないように言葉を選ぶ。これが実に微妙なさじ加減が必要なのだ。たとえば来場者をいじるのを「お前らネジはずれてるよな」というように、バイク愛を感じる乱暴なセリフを使う。若いヤツを見つければ「バイクなんか乗ってると人生ダメにするぞ」といった具合で、イベントが終わるとスッゲー疲労感を感じるほど神経を使っているのだ(誰にもそう見えないだろうが)。全国各地で積み上げてきた98回の歴史に、今日また1つが加わり、7月にはとうとう100回目を迎える。これは快挙であり、これだけの回数のバイクイベントは例がないかもしれない。しかも、それを全部でしゃべっているのも、もしかしたらギネス記録じゃないかな(笑)。ともかくありがたいことで、今日も全力でステージをさばくぞ。