パナソニックは、SSDポータブルカーナビゲーションブランド・ゴリラシリーズの新製品『CN-GP530D』を6月12日に発売する。
本モデルは、国内向けポータブルナビゲーションとして初めて『準天頂衛星みちびき』の情報を利用して現在地を測位できるのが最大の特徴だ。みちびきは日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、GPSを補助/補強する目的で実証実験を進めている衛星測位システム。GPS衛星よりも高々度に位置しているため、山間部やビル街でも電波を受信しやすいという違いがある。ただし現状は1機しか打ち上げられておらず(側位には最低4機の衛星が必要)、単独での運用はできないためGPSを補完する形での運用となる。
車速情報の取得やより多くの自車位置特定のためのセンサーを搭載する据え置き型ナビと違って、ポータブルナビではGPS情報が側位手段の決め手となる。この『みちびき』の情報を活用することで、ビル街や高架下など、都市中心部での測位精度が向上し、現在地をより正確に測位することが期待されている。これに加え、ジャイロセンサーと加速度センサーを利用したGジャイロ機能も搭載しており、GPS、ジャイロ、みちびきの3つの情報を利用して現在地を測位する。
また、GPSの情報を処理する際、過去に受信したGPSデータを用いて現在のGPS衛星の位置を予測することにより、GPSを捕捉しやすくし、起動時の測位の時間を早めるクイックGPS機能も搭載。これにより起動時もよりスムーズに自車位置を側位するという。16GBの容量をもつSSDメモリーを内蔵し、液晶画面は5V型WVGA(108×65mm、800×480ドット)のタッチパネルLEDバックライト液晶で、ワンセグチューナーも内蔵。SDメモリーカードに入れた音楽データや動画、静止画も再生できる。また、リチウムイオン電池を内蔵しており、単独での使用も可能だ。この他、走ったルートのGPSデータを記録できるので、後でPCからGoogleマップやGoogle Earth上で「自分がいつどんな道を走ったのか」を表示することもできる他、位置情報付きの写真データから目的地設定もできるなど、多彩な機能をもつ。
国内の市販カーナビ市場は、大型の液状画面を持つ高級機種から手頃な価格のポータブルタイプへと年々シフトしており、機能の充実が進んでいることもあって、同社は今年度にトータルで約100万台の需要を見込んでいるという。買い替えを考えているなら、ぜひ検討に加えたい一台だ。オープン価格で、予想実勢価格は3.5万円前後。