セイコーインスツルは、走行中の心拍数から最適ペースがわかるランニングウオッチ『AH01 Heart Rate Monitor(ハートレートモニター)』を5月上旬から発売する。
同社ランニングウオッチの最新モデルに相当する。心拍センサーが付いた胸ストラップを胸部に装着してランナーの心拍数を測定し、走行タイムと同時に心拍数もリアルタイムで表示する。これによって、自分にとっての最適ペースがわからないという、ランニング時に多くの人が持つ悩みに応えようというものだ。
一番の特徴は、ハートレートモニターと呼ばれる機能が備わっていることだ。胸にストラップを装着、時計本体が心拍信号を受信すると、時計は自動的に心拍数データ表示に切り替わる。そして、ランニング中は、この心拍数と同時にラップタイムやスプリットタイムなどの走行データも示される。いつもの距離をどのぐらいのペースで走っているか、走り始めてからどのぐらいの時間が経過しているか、そして今の自分の心拍数は? などを走りながらチェックできる。
2つ目の特徴は、AT心拍数測定機能があること。ATとはAnaerobic Threshold(無酸素性作業閾値)の略で、軽い運動をしている時の有酸素運動から、強い運動時の無酸素運動に切り替わる転換点を指す。そしてAT心拍数は、その転換点における心拍数のことをいう。そもそも、トレーニングにはAT付近での運動強度が最適とされていることをご存知だろうか。無酸素運動の色合いが強くなると、疲労物質である乳酸が血圧中に過剰に蓄積、その結果、かえって運動能力は低下してしまうのだ。つまり、運動強度と運動能力、この2つが均衡するAT心拍数付近が、その人にとっての最適ペースというわけだ。
『AH01』では、個人のランニングデータと性別をあらかじめ設定しておけば、アシックススポーツ工学研究所が独自に開発したアルゴリズムからAT心拍数が自動的に推定されるしくみになっている。またさらに、そのAT心拍数を中心とする目標心拍ソーン(=INゾーン)に対して、心拍数が上限を超えるとHIゾーン、下限を超えるとLOゾーンとして、ランナーの今の心拍数が、そのいずれのゾーンであるかを示すようにもなっている。これなら走りながらでも、ペースを簡単につかめ調整も楽そうだ。
手軽に始められる運動の代表格となったランニング。体型が気になると走り始めた昭和40年男も少なくないだろう。健康のために、そしてモチベーションアップためにも、使えそうな商品だ。『AH01 Heart Rate Monitor(ハートレートモニター)』は、幅41.9×厚さ11.96(mm)、重さ44g。色はブラック&レッド、ピンク&グレー、ホワイトパール&レッドの3色で、価格は1万4,175円。