昨日は『昭和40年男』初のコラボCDとなった、河口恭吾さんの『昭和40年男たちのメロディー』の発売記念ライブがあった。本誌読者と、会場となった銀座山野楽器での購入者を対象に招待して、100席ほどの会場は満席となった。
ライブの前にトークショーをやってくれとのレーベルからの依頼を受け、約25分の対談を披露した僕だ。レーベルの担当者による質問に僕と河口さんが受け答えする形式と解釈していたのだが「それではどうぞ」と、僕が進行することをイベントの開始直前に知ったのだった。「ヤバい、打ち合わせしましょう」と控え室にこもったものの、仕込んでしまうとおもしろくなくなるからライブでぶちかまそうとなり、ステージに上がったのだった。
河口さんの普段のライブで集まる方々よりは高い年齢層で男性の比率が高く、『昭和40年男』の集いとしては女性が多いという、僕にとっても河口さんにとっても不慣れな客層を前にしてトークをスタートさせ、ぶっちゃけ話を含んで突っ走った。あの時代の曲の歌詞が持ってる力の話、機械仕掛けの最近のレコーディングに対して同時録音にこだわった今回のアルバムの話、選曲に対して僕からリクエストさせていただいた『海を抱きしめて』の話などなど、予定時間をオーバーしてしゃべらせてもらった。拙い僕の進行につき合ってくれた河口さんと、お客樣方の寛大さに感謝である。
そして皆さんお待ちかねのライブは素晴らしかった。キーボードとギターのシンプルな構成とは思えない起伏に富んだサウンドと、パキッとしたリズムが心地よかった。自由に泳ぐようでいて、でもものすごく丁寧に河口さんは歌を乗せる。1音1音を無駄にしない姿勢に、感動したのと同時におおいに学んだ僕だ。そして、このアルバムの仕事を僅かながらでもご一緒させてもらったことにあらためて感謝した。これだけの感動的な歌唱が人々に届く、その一部ながら手伝えたのだからと。そしてライブが終わるとなんとサイン会まであり、CD購入者と展示即売させていただいた『昭和40年男』に次々にサインして、笑顔で握手を交わすのだった。河口さんてまったく裏表が無い方で、サインも握手も心からの感謝とともにしていて、ナイスガイという言葉がピッタリハマるのだ。そういう意味でも仕事を通じて彼のような男と出会え、強く影響をもらえたことに感謝している。何かことを起こせば、実りは必ずあるものなのだな。
ちなみに昨日のライブでの演奏曲は『もしもピアノが弾けたなら』『桜』『スローなブギにしてくれ』『人類みな兄弟(サントリーオールドCMソング)』『男たちのメロディー』『海を抱きしめて(ゆうひが丘の総理大臣)』の6曲で、会場は大きな感動に包まれたのだった。アルバム『昭和40年男たちのメロディー』はここで試聴できるので、ぜひ聞いてみて頂戴!!