昨年の秋から全国で催されてきた尾崎 豊の展覧会『尾崎 豊特別展 OZAKI20』がラストを迎える。会期は4月24日(水)から5月5日(日)まで、横浜・みなとみらい駅特設会場だ。また、尾崎 豊を偲ぶコンサート『集まれOZAKI~OSAKA OZAKI NIGHT~』が、4月25日(木)に大阪・オリックス劇場で催される。
昭和40年生まれのミュージシャン・尾崎 豊は、1980年代のカリスマアーティストの代表者と言っていいだろう。1983年高校在学中にデビューし、4枚目のシングル『卒業』が大ヒット、セカンドアルバム『回帰線』やサードアルバム『壊れた扉から』などもヒットし、あっという間にスターダムにのし上がっていった。大人や社会への抵抗、10代の少年のナイーブな心の叫びは、一種の社会現象を巻き起こした。昭和40年男ならば、自分たちとタメ歳の彼の活躍ぶりはファンならずとも注目していたのではないだろうか。1992年に26歳の若さで急死したことで、彼の存在は大いなる伝説となったが、死後20年が過ぎた今もなお多くのファンが彼の歌を愛し、その存在は光を放ち続けている。
4月24日(水)から催される『尾崎 豊特別展 OZAKI20』は、以前から本サイトでも告知(こちらやこちら)してきたとおり。開催のきっかけは、尾崎 豊を発掘した音楽プロデューサー・須藤 晃が、2012年に発刊した本『NOTES』がきっかけとなった。本は尾崎が書き綴った数冊のノートをまとめたもので、発刊記念講演会を行なうと会場に尾崎を直接知らない世代であるはずの現役高校生や大学生の姿が見られたのだという。須藤の心に「今一度、彼らに尾崎の足跡を見せたい」想いが強くなり、各所に点在していた尾崎ゆかりの品々を一堂に集めての展覧会開催へと繋がっていった。
同展でまず目を引くのは、写真家・田島照久による巨大写真によるインスタレーションだろう。9年間、尾崎のアートディレクターだった田島ならではの写真の数々が、同展で初めて公開されている。等身大の展示は、尾崎がまるでそこにいるかのような迫力で迫ってくる。また、今まで未公開だった映像や肉声テープも公開される。ステージでファンに贈ったメッセージや録音スタジオで自分の気持ちを語った録音テープなど貴重な記録が揃っている。そして、さらに尾崎の作曲ノートやイラスト、彼が幼少期からデビュー直後まで使っていた机やレコーディングに使用したギター、レコーディング機材なども展示。尾崎楽曲の秘密を垣間見られる品々に触れる機会となるだろう。
また尾崎 豊が亡くなった4月25日に、彼を偲ぶコンサート『集まれOZAKI ~OSAKA OZAKI NIGHT~』も大阪で催される予定だ。須藤プロデューサーが尾崎に共感したり興味を持つアーティストに声をかけて実現したという。残念ながらチケットは既に売り切れとのことだが、槙原敬之やコブクロの黒田俊介、CHEMISTRYの堂珍嘉邦、石崎ひゅーい、Aqua Timesの太志などのアーティストが参加予定で、年月を経てもなお愛され続ける尾崎 豊の歌の力を感じさせる。
『尾崎 豊 特別展』
会期:4月24日(水)~5月5日(日)
時間:午前11時~午後8時
会場:みなとみらい線 みなとみらい駅特設会場
入場料:一般・大学生は1,200円、中・高校生は500円、小学生以下無料。
『集まれOZAKI~OSAKA OZAKI NIGHT~』
日時:4月25日(木) 開場18時半/開演19時
開場:オリックス劇場(大阪市西区)
入場料:全席指定6,800円(18歳以下は身分証提示で1,500円のキックバックあり)