円谷プロは、昨日4月12日に記者発表を開催し、新番組『ウルトラマンギンガ』をはじめとする50周年3大コンテンツを発表した。
特撮の神様と言われた故・円谷英一が会社を創立、今年で50周年を迎える円谷プロダクション。昨日、都内で行なわれた記者発表で、大岡新一社長は「これから先50年、100年へと走り出す新たなスタートラインに立った」と話した。そして、新たなスローガン“50年の感謝を 明日への力を”のもと、技術革新が目覚ましい現在だからこそ「技術だけでなく、創立者・円谷英一の想像力と探究心に学び、社会の未来に貢献したい」と語った。
発表された3大コンテンツのなかで最も注目を浴びたのは、昨日、速報でお伝えした新ヒーロー・ウルトラマンギンガだろう。我々昭和40年男世代が何となく親しみを感じる“ウルトラマン顔”。ボディは、初代ウルトラマンと比べて鋭角的で、全身にはクリスタルパールが散りばめられている。会場ではウルトラマンとウルトラマンギンガの夢の競演が実現したが、2者が並んだショットは、奇しくも円谷プロ半世紀の歴史を示すと同時に、ヒーローの系譜を感じさせるものだった。
昭和40年男世代にとっても永遠のヒーローであるウルトラマン。テレビ番組『ウルトラマン』は1966年に初めて放映され、続く1967年には『ウルトラセブン』もスタート。これらのウルトラシリーズは我々の幼少期に繰り返し放映され、誰もがウルトラマン等のヒーローはもとより、宇宙人や怪獣、そして特撮のおもしろさに夢中になっていった。その後我々の多くは、1974~1975年放映の『ウルトラマンレオ』あたりでウルトラシリーズを卒業していき、ヒーローものには疎くなっていった。だが、円谷プロはその後ももちろん新たなヒーローたちを世に送り出しており、ウルトラマンティガやウルトラマンガイア、さらにウルトラマンメビウス等々、時代ごとに異なるヒーロー像を描き続けた。
そして、初代ウルトラマンが初めて放映されたウルトラマンの日、7月10日(水)に、『ウルトラマンギンガ』がテレビ東京系でスタートする。第1シーズンには、映画館で上映されるスペシャルエピソード2話を含め、全13話が予定されている。新番組では、我々が知っている『ウルトラマン』とは少々異なる物語が繰り広げられるようだ。主役は、後にウルトラマンギンガと一体化する礼堂ヒカルを始めとする高校生5人。ウルトラマン史上最年少の主人公たちだ。物語はヒカルが夏休みに生まれ故郷を訪れ、神社の境内でウルトラマンタロウの人形を拾ったことから始まる。やがてヒカルは、幼なじみの石動(いするぎ)美鈴、渡会(わたらい)健太、久野千草と共に、怪獣や宇宙人たちが出現する事件に巻き込まれていく。また、クールな転校生・一条寺友也がヒカルのライバル役として登場し、物語の謎は深まっていく…。対怪獣防衛チームや軍隊も無い時代が舞台というだけに、高校生たちが一体どんな活躍を見せるのか楽しみだ。
高校生役の5人は全員オーディションで選ばれ、撮影はすでに始まっているとのこと。ヒカル役の根岸卓哉は、「(選ばれた)実感はまだないです」と戸惑いを感じながらも「夢と希望を届けられるように頑張りたい」と張り切る。そして若いキャストたちを、円谷特撮50年の歴史を受け継ぐスタッフたちが支える。製作・統括プロデューサーを務める岡崎 聖は、「若者の心の悩みや、未来を願う勇気を描いたドラマを紡いでいくつもりだ。エンタテインメント性を追求しながら、しかも王道と新しさの両方を兼ね備えた番組にしたい」と語り、意欲を見せた。
昭和40年男の人生とほぼ重なる円谷プロの新作。かつて我々が夢中になったように、子どもたちが夢中になる話題作になって欲しいと願う人も多いことだろう。ちなみに、円谷プロ3大コンテンツのその他2つとは、1つがBlu-ray化され『ウルトラマンBOX』全3巻として発売予定のHDリマスター2.0版、そしてもうひとつが、バンダイとコラボして始められる新型筐体によるカードゲーム『大怪獣ラッシュ』だ。
『ウルトラマンギンガ』
<放映期間>
第1~6話/7月10日(水)からの夏休み期間
第7~11話/11月~12月
スペシャルエピソード全2話/9月と2014年春休み
<放映番組と時間>
テレビ東京系で、毎週水曜日の午後5時半~午後6時
(『新ウルトラン列伝』枠内)。
スペシャルエピソード2話は各地の映画館にて。
<メインキャスト>
礼堂ヒカル役/根岸卓哉
石動美鈴役/宮武美桜
渡会健太役/大野瑞生
久野千草役/雲母(きらら)
一条寺友也役/草川拓弥