坂口良子さん、さようなら。

池中玄太80キロ今朝、寝ぼけながらテレビをつけて知った訃報だった。まだ57歳だから女優としてはまだまだこれからで、新境地の役どころや活躍に期待がかかっていた。私生活でも結婚なさったばかりだから、さぞや無念であろう。

僕ら昭和40年男にとっては、なんといっても『池中玄太80キロ』で演じた鳴山暁子、アッコ役の坂口良子さんが強烈に突き刺さっていることだろう。僕の理想の女性像をつくったのがアッコだった。ズケズケ気持ちの中へと入り込んでいくくせに、泣き虫だったりする。繊細で優しくて元気でカッコいい。加えて美貌なんだからちょっと完璧過ぎだった。半ペラやヒデとのとの絡みが、大人のできるオンナみたいで憧れた。そして大好きな玄太が惚れるに値する、最高のオンナだったのだ。単純な僕だから、報道関係の仕事に就きたいなんて夢描いたりしたのは、職場にアッコみたいなカッコいいオンナがいるはずだからとの妄想だったのだ。

ドラマの登場人物から、人生に関わる影響をたくさん受けてきた。カッコいい男の生き様や、アッコのような理想の女性がまさにそうだ。女性では、『翔んだカップル』で桂木文ちゃんが演じたの圭ちゃんしかり、ちょっと新しくなるが『王様のレストラン』で山口智子さんが演じたしずかもしかりである。どれも男勝りで元気なのに、優しい女性ってのが共通かな。とくにアッコとしずかは共通点が多くて、もしかしたら影響を受けているのかもしれない。山口さんの歳だったら、きっとアッコは夢中になって見ていたはずだから。

知り合いでもなんでもない。ただ一方的に憧れて、眺めていたに過ぎないのにこんなに悲しい気持ちになるのは、その役をイキイキ演じた姿が、心の中にしっかりと焼き付いているからだろう。自分が生きた時代にあふれていた空気がやっぱり大好きで、その中で強烈に存在感を示すドラマの1つだったし、アッコだった。大好きで憧れだったアッコ、さようなら。ありがとうございました。

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3件のコメント

  1. 自分も昭和40年ですが、玄太といえば松尾和子さんを思い出します。夜しか生息していないような大人の色気に毎回ノックアウトされてました。本物の熟女でした。最近の(ってことは同世代の)美魔女さんたちは妙に可愛い系というか、清純系というか、若さを強調しすぎてて、熟を感じられないのが残念。

    坂口さんはトークとかみてると結構豪快で、「おきゃん」な感じでしたね。垂れ眼と目尻の笑い皺に愛嬌があって好きでした。可愛いおばあちゃんになっただろうになぁ。合掌。

  2. 幼稚園の頃買った雑誌の付録でついてきたソノシートに「アイちゃんが行く!」の坂口さんの声が収録されていたのが最初の出会いでした。

  3. 昭和40年男として、坂口良子さんといえば、「アッコ」というのは、まったく同感です。
    ご冥福をお祈りします。

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