クイーン、エアロスミス、キッスが御三家!?

クイーン オペラ座の夜次号でキッスを取り上げることを昨日ここに書いて、あらためてこの3つを御三家とは、よくぞ呼んだものだとあらためて感心させられた。音楽専門誌がつくり込んだコミュニケーションじゃないだろうか。ある意味無謀な取り合わせであるものの、おそらく昭和40年男にはフィット感があるはずだ。この偉大なる3バンドをくくれる感性は、僕ら前後世代の特権だろう。昨日もふれた、70年代後半から80年をターニングポイントにして繰り広げられたドラマを、リアルタイムで感じた昭和40年男だからだ。

エアロスミス ロックス中学時代に洋楽とふれたとすると、それぞれのヒット曲はクイーンが『バイシクル・レース』で、エアロスミスはこれをヒットと呼ぶには苦しいが『リメンバー』、キッスが『ラビン・ユー・ベイビー』ということになる。この中では『ラビン・ユー・ベイビー』が国内ではもっとも目立ったヒットだった。これらを収録したアルバムを比べるとそれぞれ『ジャズ(78年)』『ナイト・イン・ザ・ラッツ(79年)』『地獄からの脱出(79年)』となり、唯一『ジャズ』が気を吐いているが、キッスとエアロはここから大凋落が始まる。双方ともに初めてのメンバー脱退と繋がるのも共通点である。気を吐いているとはしたが『ジャズ』も傑作とまではいえず、これらが同時期に出てきたことはおもしろい。

キッス 地獄の軍団デビュー時期も70年代の始めで、ブレイク作が同様に3作目である。そして、これまたおもしろいことに4作目で大ブレイクという歩みもピッタリと合っているのだ。

ロック史に燦然と輝く傑作アルバム『オペラ座の夜(75年)』『ロックス(76年)』『地獄の軍団(76年)』の3枚はどれも70年代のど真ん中にリリースされた。ディスコブーム直前であり、突如として世を席巻したパンクムーブメント前夜だ。これらの名作を、小学生にしてリアルタイムで聴いたという昭和40年男は少ないだろうが、後追いで聴いた方々はかなりいることだろう。

だが僕はいつも思うのだが、この名作をリアルタイムで感じるよりも、むしろ永遠に名を刻んだバンドたちの凋落を見ながら、まるで大爆発を起こしたかのような音楽シーンを経験できたことに幸せを感じている。もっとも悪い瞬間につき合えたのはむしろ貴重な体験だろう。

その後は、三者三様となっていく。クイーンはついにメンバーチェンジすること無く、王道をひた走った。エアロは見事にオリジナルメンバーが結集して、去年リリースされた『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション』は『ロックス』とは違った意味を持つ彼らの最高傑作となった。キッスは比較的早い段階で大復活を遂げ、エアロほどではないものの現在まで活躍を続けているのはスゴイことだ。偉大なバンドたちだからこそ思う。ホント、俺たちって幸せだなあ〜。

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