金曜日から昨日まで、お台場で行なわれた東京モーターサイクルショーは大盛況のまま幕を閉じた。今回のショーで、個人的にもっとも気になったモデルがこれである。スゲー、カッチョいい。バイクって写真と実物で受ける印象が異なるから、この写真では伝えきれないのがちょっと残念である。
このスタイルはワルい大人の男を演出できそうじゃないか。伝統的なスタイルでありながら、新しいデザインなのがいい。また、こうしたカテゴリーのバイクでは高い安定感を持つヤマハ製品であるのも、お気に入りのポイントである。
バイクにおいてデザインの重要性は増すばかりだ。電気製品なんかと一緒で、昔のような技術による差異がつけづらくなっている。実際には環境面であったり、その他諸々の革新技術がこれでもかーっと注ぎ込まれ続けているのだが、かつてのオートバイ雑誌で僕らの心を鷲掴みにしたような、パフォーマンスにおいては地味になっている。だからユーザーにアピールするのに、デザインの重要度は近年増す一方だ。ヤマハは昔から「デザインのヤマハ」といわれる高い評価があり、現在にも脈々と受け継がれている。
国内バイクメーカーの中でヤマハだけがデザインを外部に出している。これ自体が創業時からの開発の進め方であり、受ける側も強いプライドを持って臨む。このデザイン集団はバイク以外にも広いジャンルでデザインを手がけており、身近なところではキッコーマンの卓上瓶がよく例に上げられる。機能美の1つの完成系であり、デザインそのものの耐久性が高い。バイクデザインは機能美の具現化という意味で究極のプロダクトの1つだろう。エンジンを含めて見える部分が多く、ネジ1本に至るまでデザインが施される。このボルトを実際に目撃して、行き届いたデザイン仕事にうっとりした程秀逸である。
そしてこの写真は来ていただけた読者さんと撮影したもので、もっともにぎわいを見せたブースの1つ、ホンダブースの前でとったものだ。11万人を超えた来場者で、何人の『昭和40年男』読者がいたのだろうか。まさか、お1人ということはないと思うが。大盛況の3日間はあっという間に過ぎ去り、久しぶりに立ちっぱなしの現場仕事で、今日は腰が悲鳴を上げている。