昭和40年生まれの現代美術家・ヤノベケンジが、現在開催中の『瀬戸内国際映画祭2013』でビートたけしと共作した巨大アートを展示している。
ヤノベは京都市立芸術大学大学院修了後、さまざまな実機能をもつ大型機械彫刻を数多く制作し、そのユーモラスな造形と鋭い社会的批評を持つ作品で国内外で高い評価を受けている。1997年には自作の放射能防護服を着て原発事故後のチェルノブイリを訪問する『アトムスーツ・プロジェクト』を開始。そして帰国後も大阪万博跡地を中心に同プロジェクトを展開させ、2009年には全長15mのアート船を大阪の街に出現させるなど、巨大モニュメントを中心に手がけ、精力的に活動を続けている。
そのヤノベが今年、タレントのビートたけしと共同で高さ8メートル強もある巨大アート作品を制作し、東京都現代美術館で一般公開され、大変な話題を呼んだ。同作品のタイトルは『アンガー・フロム・ザ・ボトム(地底からの怒り)』というもので、古井戸の中から頭に斧が刺さった“化け物”が出現し、歯をむき出した口から大量の水を吐き出すというもの。たけしのアイデアを基に、ヤノベと京都造形芸術大学の学生らで造形化したのだそう。
『アンガー・フロム・ザ・ボトム(地底からの怒り)』の展示は終了したのだが、3月20日から開催されている『瀬戸内国際芸術祭2013』で展示されている。同作は小豆島に展示されており、洞雲山を望む小豆島で異色の存在感を放ち、黒い巨大な“化け物”が姿を表すと観客から拍手と歓声が沸き起こっているのだそう。『瀬戸内国際芸術祭2013』といえば、昭和40年生まれのアーティスト(会田 誠、有馬純寿、大岩オスカール、小沢 剛、パルコキノシタ、松陰浩之)で結成される『昭和40年会』も参加している。彼らは男木島で休校の小学校を舞台に臨海学校を開催したり作品展示などを行なっている。タメ年のアーティストたちが展開する活動にぜひ注目したい。
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