東急渋谷駅よ、さらばじゃ!!

東急渋谷駅

東急東横線、渋谷駅のターミナル駅が先週金曜日にお役御免となった。当日は、楽しい仕事の打ち上げで朝まで呑むことが決まっていたから、前日に見に行ってきた。名残惜しそうに、写真に収める多くの人がいて、僕もその1人だ。当日の模様は全国的に報道されたようで、この騒ぎをご存知の方々はなにをばかなと思われるだろうが、渋谷で過ごした人にとってはなんらかの想い出が詰まっている、名所なのだ。

日本では主要駅のことをターミナル駅と呼んでいるが、本来はこういった末端駅を呼ぶようだ。なんとなく男のロマンを感じてしまうのは僕だけでないだろう。都内では東北からの玄関となった上野駅や、渋谷と同じく東急の蒲田駅なんかが好きで、大阪の阪急梅田駅もステキですな。日曜日の最終電車間際なんかは、ひっそりして寂しい感じがなんとも郷愁を誘い、『銀河鉄道999』をイメージしたりする。昭和の風景がまた1つ消えてしまった。

東京都の荒川区で育った人間にとって、渋谷や原宿は遠い遠い「ナウでヤングな街」だった。高校時代は必死に背伸びして歩いていたから、修学旅行の高校生となんら変わらない感覚だろう。高校を出て一時バイトをしたことがあり、その頃にグーンと近い街になって、今では焼き鳥を食いに出かける街になった。若者で溢れかえっている印象だろうが、実はおっさんにも楽しい街なのである。

だが、最近はずいぶんと変化が進み、今回の駅の消滅によりまた大きく変化を見せるらしい。楽しみであり、寂しくもある。男を育ててくれると感じさせてくれる街が、東京にはいくつかある。その中で渋谷は格別の存在であり、東京近郊で10代を過ごした男の子なら大なり小なり影響を受けてきたのではないか。銀座のように何もかもを与えてくれる街でなく、下北沢のように利用者任せの街でもなく、ちょうどその真ん中にあるような街なのだ。適度に楽しませてくれ、コチラからの能動的な動きには刺激をくれる。そんな魅力が渋谷なのだが、これは残念ながら少しずつ失われつつあるように思える。

立派に着飾ることだけを進めようとする施設と、粋を知らないワガママな人間が増えすぎた。渋谷に限ったことじゃないが、街がその色を失ってしまうと取り戻すのは難しいことを今強く意識しないと、東京はドンドンつまらなくなる。僕ら昭和40年男は、街を大切にする心を持っているはずだから、大いに活躍したいところだ。

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