大編集後記その六。学研のかがくに鍛えられた理科的思考。

本日発売だぞー。今回も入魂の1冊を、どうぞ手にしていただきたい。発売に絡めて、ここ数日は編集後記をお送りしている。

学研のかがく

♩まだかな、まだかな~。学研のおばちゃん、まだかな~♩
今年48歳になる僕の人生において、とうとう学研のおばちゃんは1度も来てくれなかった、グッスン。電子プロック同様、どうも学研とは縁がない人生のようだが、現在こうして出版社の仲間入りをしたのが、そもそもは学研だというおもしろい事実がある。

昔々、バイクブームが沸点を迎えた頃は、多くの出版社がバイク業界へ参入した。そのとき学研より、女性向けのバイク雑誌『レデイスバイク』が誕生したのだ。やがてバイクブームは沈静化していき、学研はこの本の権利を売却するに至り、当時の編集長を務めていた男が買い取った。彼はそのまま出版社を設立したのだった。『レデイスバイク』の頭文字を取ってエルビーマガジン社として踏ん張ったが、バイク業界は厳しさを増す一方で休刊となってしまった。休刊とはよく言ったもので、登録上の権利は残っているのだ。この辺は以前ここに詳しく書いたので興味があったらのぞいてみて頂戴。

広告関連の仕事で立ち上げた会社が、やがて下請けで雑誌づくりに携わるようになり、さらには出版社になりたいと夢を抱くのは自然な流れだった。僕は、仲のよかったエルビーマガジン社の社長に会社を譲ってもらい、既存事業に加えて出版を始めたのだった。2000年のことだ。今ではもともと学研から出ていた『レデイスバイク』の復刊まで果たしている。という流れなんで、『昭和40年男』誕生の背景には学研があるという奇妙な縁で結ばれているのだ。

…が、ラブコールを送り続け、もっとも接触したかった小学生当時はまったく縁がなかった。先日書いた『電子ブロック』は高額商品ゆえに諦めたが、こちらは手が届くはずであり、ましてや教育上役に立つはずだと必死の説得をしたが「小学○年生をとっているでしょ」と一蹴された。考えてみると小学館とは縁が深く、現在も『ビックコミックオリジナル』を欠かさず購入していて、もう40年以上の定期的な付き合いを続けていることになる。

『学研のかがく』の値段は正確に覚えてないが、手が届くはずとはしたものの安くはなかったはずだ。だって、クラスでの普及率は『電子ブロック』よりは高かったけど、毎月手に入れている幸せ者は数名というレベルだったもの。世田谷区あたりと荒川区の普及率には相当の開きがあるだろうな。とはいえ、全国的にみればかなりの昭和40年男がコイツには世話になったはずだ。これによって我々の理科的な思考回路は相当鍛えられたはずで、偉大な存在である。今こそ見習うべき仕事の姿勢で、今回のインタビューからはそれを感じていただけることだろう。ぜひっ、ご一読を!!

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