春一番!!

キャンディーズ 春一番

なんだかうまくでき過ぎているんじゃないか。気持ちが春にグーンと近づく3月の頭に春一番が吹くのは。まだまだ雪の日が続く方々もいるので恐縮だが、本日東京、およびその他の広い地域で吹いたようだ。去年は吹かなかったから貴重な風だったのに、ほとんど会社から出られずに〆切作業と戦っていたから感じることができなかった。あの生温い風って、いろんな想い出を持ってくるから感じたかったけど仕方ない。そんでもって昭和40年男ならきっと頭の中でジングルしているのがこの曲でしょう。

ちょっと前の立春でもこんなこと書いて、やっぱりこの大好きなジャケットを使っている。頭がいつも春だから、この季節がうれしくて仕方ないのは意識より深いところからきているんだな。加えて体は夏向けにできているから、カレンダーが3月になるとワクワクしてケツが落ち着かない。毎年のことながらいつも新鮮な気持ちで春を待っている自分がいる。

皆さんにとってもっとも心に残っている春はいつだろう。僕が真っ先にあげるのは昭和56年だ。15から16歳になる年のハイティーンに突入する微妙な時期で、3月は中学卒業という人生のターニングポイントを迎えたのだった。すでに高校も決まっていて、生まれて初めて自分の道が自分によって切り開かれる直前であり、でもまだなんのイメージもできていなかったままの子供だ。その浮っついた感じをケツが覚えているから、幾つになってもこの時期になると落ち着かないのかもしれない。そして、この気分をグッと引き寄せるのが春一番の生温い風である。

もう1つが、沈丁花の香りだ。生まれて初めての進学受験が終ったのは、たしか2月の21とか22日とか、確かどちらかだったと記憶している。なんともいえない開放感に包まれて、今だったら缶ビールでも開けたい気分だっただろうが、さすがに中学生にまだその習慣はなかった。でもゆるりゆるりと家路を歩きながらの気分は、今考えれば酔っぱらっているかのごとく最高で、その幸せ気分のところにどこからともなく漂ってきたのが沈丁花の香りだった。これはまるで奇跡のような気がした。その日まで春らしいことを何にも感じず、ただひたすら受験モードだった(ちょっとウソ)のに、終った途端に春を連れてきてくれたのだ。なんだか天からご褒美が降ってきたような、そんなうれしい気分に浸りながらゆるりゆるりと歩いていた。

雪が溶けて川になる春があれば、沈丁花が香る春もある。〆切地獄から逃れて、あの日みたいに沈丁花の香りに会えたらステキだななんて、書きながらちょっぴり現場逃避の気分を味わっている今だ。さてさて、まだ作業は山積みで春を見つけに出かけるまでもう少々の時間がかかるが、もうすぐそこだ。終わったら重いコートは脱がなくちゃなって、さっきから頭の中でキャンディーズに言われて続けているよ。

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1件のコメント

  1. ランちゃんはかわいいですね。最近何かのCMに出ていましたが、やっぱりいいわ!すんごくイイ!!

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