去年、久しぶりに受けた健康診断だった。驚愕の結果を知らされたのは3月19日で、参考までにこの日は仏滅だった(笑)。異常値の数々が並び「まるで数え役満じゃねーか」と、ろくに麻雀を打てないくせに叫んだのだった。主な異常値はご想像のとおり、肝臓、血糖値、尿酸値、コレステロール、血圧とまさに呑んべえを象徴するラインナップで、健康にだけは自信があった僕を粉砕するのに十分な威力だった。その冷酷な結果を知らせた1枚の紙っ切れには、3ヵ月以内に再検査を受けろとのご親切な案内があった。そこで熟考を重ねた僕は、1年間真面目に過ごして来年の健康診断を再検査にしようとの、合理的かつ科学的根拠に基づいた判断を下したのだった。さすがっ。そして、今日その“再検査”の日を迎えたのだ。
この1年間の涙のにじむような努力…、というのは真っ赤なウソ。月日の経つのは早いもので生活改善などさほどできるはずもなく、大酒呑みはそのままこの日を迎えてしまった。とはいえ休肝日は圧倒的に増えた。これはありがたいことに、去年から目が回るほどの忙しさが続いているからである。単純に呑む時間が捻出できなくて、そのまま呑む日数が減った。加えてスケジュールが立て込んでいるものだから、呑んでも深酒ができない日が増えた。おそらく長い呑んべえ人生で、もっともアルコール摂取量が少なかった1年だろう。加えて血糖値対策には、食前に牛乳を飲むのがよいとのウソかホントがわからんが情報を得て、藁をもすがる思いで実践している。副作用で体重増加に繋がったのはいかがなものかと思うが、全食事の半分くらいは達成したと思う。さらに、上が138と高血圧の仲間入りまであと一歩の対策は、これもどれほどの効果があるかはわからんが水分摂取量を増やすといいと、お茶をたくさん飲んでいる。加えてたまに、サントリーの胡麻麦茶なんてのも飲んで対策しているのだ、エッヘン。とまあ、対策とはほど遠いものの、この程度とはいえ対策しているあたり、相当にショックが大きかったのである。
みなさんの健康状態はどうなのだろうか? そろそろいろいろ出てくると聞くが、取材先や秘密基地に駆けつける連中はすこぶる健康で肩身が狭い。生活習慣とはよく言ったもので、寝不足、大酒、大喰らいをもう30年以上続けてきた。薄い薄い層のように体に降り積もってこびり付いたのだと思えば、これは仕方ないことで自業自得なのだ。たが、寝る時間を削って活動したことは大量の肥やしになっているし、酒の席で学んだことや成果は計り知れない。大喰らいのメリットは少々薄いが、得た笑顔は人生に効いているはずだと思えばいいじゃないか。恩恵を受けてきた分の反作用で、すべてはバランスなんだろう。負け惜しみじゃなくそう思えるほどに、僕はおおいに笑ってきた。
とはいえやっぱり病気にはなりたくない。背負っているものだってあるのだから無責任にはなれないと、去年の結果を受けて生まれて初めて体のことを考えたことになる。努力したとまではいい難いが、果たしてどんな結果が待っているのか楽しみではある。結果が出るのは約2週間後だ。ここに報告するから、みなさんどうぞ笑ってやっておくんなせえ。あっ、かつての僕のように健康診断から逃げているタメ年諸氏がいたら、勇気を持つことを勧める。逃げたらイカンぞ。