ちょいとタイトルとはそれるが、この写真は先日開催した『大阪秘密基地』の二次会終了時の参加者を収めたもので、注目いただきたいのは時計が差している時間だ。深夜も深夜、27時半を回っているじゃないか。50歳の大台が見えてきた連中の集いにしては元気すぎる。しかもこの後さらにミナミの街へと繰り出した輩もいて、その内の1人はこの集いの最年長であるKIM-Gさん69歳である(後列右から2人目)。なんちゅう爺さんじゃ。しかも、焼き肉だよ、焼き肉っ!! 真夜中4時にカルビを焼き、酒をガバガバと呑み続けるKIM-Gさんは尊敬に値する豪快さだった。実はこの方、長きに渡って広告業界に身を置き、今も活躍しているそうだから、そりゃー、酒も強いわな。そして今回の集いでは『アイドルの時代 そして KAWAIIのトレンド』として、戦後から今に至るアイドル史を捉えて解説してくれたのだった。
日本のアイドルは、トリオ人気から始まったとの解説からスタートした。戦後復興を支えた元祖三人娘から高度経済成長期のナベプロ三人娘、そして一方の男性アイドルも御三家が席巻したとの3人時代にまず頷く。そして僕らにもなじみ深い新三人娘へと時代が動いていくのだ。南沙織さん、小柳ルミ子さん、天地真理さんである。さらにグーンと近い存在となる花の中3トリオについては、『スター誕生!』の重要性とともに説かれた。一方の男性アイドルも3人時代が続き、郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さんの新御三家となっていく。70年代の初頭はこうしたビックネームが次々と現れて、アイドル全盛時代への突入期だったのだ。そして僕らにとって重要な存在となるキャンディーズは、73年のデビューだから、実に長いこと3人の時代が続いたことになるのだ。
やがて突如、歴史にクサビを打ち込んだ存在が、都倉俊一さん阿久悠さんが擁するピンク・レディーである。『ペッパー警部』のリリースされた76年は、トリオ時代が終焉へと向かっていく大きな変革期になったことになる。昭和40年男たちは、リアルタイムでなんだかそれまでのアイドルとは違うぞと感じていたはずだ。さらに激動期は続き、70年代にもっとも多くのレコードを売った国民的アイドルの山口百恵さんが、80年代の幕開けと合わせるかのようにマイクを置いた。惜しまれながら人の妻になることと、凋落を見ることなく伝説となったのは大きい。そして入れ替わるように出てきたのが聖子チャンだから、戦後芸能史のもっとも大きなターニングポイントである。明菜チャンとともに支えた歌謡シーンを、僕らは常に『ザ・ベストテン』から受け取り、目を爛々とさせて追いかけたものだ。
KIM-Gさんによると、聖子チャンからアイドルは『KAWAII』の時代に入ったとしている。それまではどこか遠くの存在であったアイドルの真似をするようになった。そうそう、高校1年時のクラス写真はみんな聖子チャンカットだった。以来、アイドルはファッショントレンドやライフスタイルまでも発信していく存在となる。アムロチャンへ昇華していくのだった。ここでもニーズのキーワードは『KAWAII』である。
長く続いた『KAWAII』中心アイドル文化は、浜崎あゆみさんの低迷あたりからかげりを見せ始め、エビチャンによる「かわいいだけは、やめた」宣言によって幕引きされたと結論づけたKIM-Gさんだった。
と、貴重な話も展開された第2回『大阪ミナミ秘密基地』であるから、第3回を開かない手はない。共催してくれているスペースCROSS BEAT Hommachサイドも、回を重ねることで盛り上がっていくだろうとの期待を持ってくれ、次回は6月1日に開催を決定してくれた、パチパチ。ちょっと間があくのは、新年度で忙しい昭和40年男たちが一息ついた頃という配慮だ。次回こそ、熱気ムンムンの満員御礼で盛り上がりたいものだ。よろしく~。
編集長ー、戸倉じゃなくて「都」っすー。
うぎゃー、やっちまったい。訂正しました。ありがとうございます。