ゴダイゴの「ガンダーラ」を21世紀の音にする。

ゴダイゴ ガンダーラ昨日は『昭和40年男』が制作に絡ませてもらっている、河口恭吾さんのカバーアルバムについてのインタビュー取材だった。昭和49年男の河口さんが、なぜ僕らと一緒にやることになったのか。この経緯については最新号で詳しく掲載させてもらっているが、読んでいただけただろうか? 今回仕掛けたレコード会社の担当者がほぼ昭和40年男(42年)であり、読者だったことから始まった。昭和のドラマ主題歌を集めたカバーアルバムを作るという企画で、メインターゲットが昭和40年生まれ前後となることから応援を要請されたのだった。僕自身、音楽と密接な付き合いをしてきたこともあり、喜んで参加させてもらうことにしていろんな意見を出させてもらった。

その会議から約2ヶ月ぶりの再会を、プロデューサーの川原さんとともに待っていてくれた。ちょいとそれるが、一度インタビューして記事を作ると、コチラサイドからはものすごく近い存在に感じるようになる。インタビューした内容を原稿に仕上げるということは、その個人の内側にぐさっと入り込む。人生までをもうかがい、それを文字で表現しようとするのだから当然のことだ。それを経て再会となると、まるで親戚のように感じられる。再取材は記事を作っている人間として喜びの瞬間でもあるのだ。と、そんな嬉しい気持ちを噛み締めて、インタビューをスタートさせたのだった。

レコーディングはほぼ9割ほど仕上がっていてラフミックスが聴けるとのことで、2ヶ月前の会議の席で収録リストを受け取ったときに、どう料理するのだろうとまず興味が湧いた『ガンダーラ』を聞かせてもらった。昭和40年男だったらみんな大好きなナンバーだろう。当時中1の僕は、親父から弟と一緒に観ろと言われ「やれやれ、もう大人だぜ。今さら孫悟空もないだろう」と思いながら、期待もせずにつき合った。ところが、ユーモアとテンポのよさでグイグイと引き込まれたのだった。そしてそのエンディングテーマで流れた『ガンダーラ』は衝撃的だった。すばらしい映像とともに、アジアテイストな曲世界に酔いしれた。翌日の学校で「大ヒットするぞ」と大騒ぎしたのは、ハッキリとした記憶である。黒板に曲名を書いてまで解説したのだった。

流れてきた音に「こいつはいい」と、うれしくなった。プロデューサーの川原さんは、このアルバムを「ノスタルジーだけではダメで今の音にする」とおっしゃっている。その言葉どおりの仕上がりに思わず「21世紀の音ですね」との言葉を吐いた僕だった。徐々に盛り上がるカッチョいいアレンジで、そこに歌がよくのっていた。河口さんも苦労なさっただろう、キチンと曲をつかみきっていてタケカワユキヒデさんとは違った歌に仕上げていた。大好きだった『ガンダーラ』がこうして新しい姿になって、リアルタイムで感じた僕らに届けられるのはなんとも幸せなことだ。しかもそのターゲットを我々に設定して作り込んでくれたのだ。次号発売直後の3月20日がリリース予定日となっている。『昭和40年男』初のコラボCDであり、読者の皆さんの1枚でもある。一緒に応援していきたいものだ。

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