昨日は結婚式でスピーチだった。写真をご覧いただければわかるとおり、ものすごく緊張していてかわいそうなくらいだ。足はガタガタ震えるし、声はうわずっていたし、なんでこんなに苦手なんだろう。両親だったりご親族だったりの前であることが、緊張を極度に高めるのである。それと自分のことでないのも一因だ。
3000人集まったイベントでのMCだって、ガンガン自分の言葉を吐くことができる。ラジオやテレビへの出演も、基本は自分の思いをぶつければいいのだ。だが結婚式のスピーチは、当然のことながら主役のために言葉を組み立てなくてはならない。自分のことをしゃべる以上の責任が生じてしまうことが、強いプレッシャーとなって僕を押しつぶすのだ。結果、このような表情での情けない挨拶になってしまう。挨拶が終ってもしばらく体が震えているほどの緊張を味わい、あとはガンガン酒を呑んだのだった。
そんな僕の挨拶で始まった披露宴だが、内容はすばらしかった。いつも会社で一緒に働いている男が壇上に座り、普段見ることのない表情や立派な挨拶を聞いていると、まさに晴れ舞台をこなすエンターテイナーで、会場は大きな感動に包まれていた。最近、披露宴をやらないカップルが増えているが、大勢の人を前にして誓いを立てるのは、僕は大賛成である。参加した方だって、他人の幸せを自分のことのように祝うのは気持ちがいい。作り物じゃないリアルな感動が目の前に広がっていて、不覚を取ったことは言うまでもなく、今朝起きたときにまで清々しい気持ちが残っているすばらしい時間を過ごした。
今年はなぜか結婚ラッシュで、スピーチの依頼も少なくない。4度目の年男を迎えたのだから心機一転、苦手なスピーチを克服しようと臨んだが結果的には玉砕となり、今年の結婚ラッシュに不安を残す仕上がりとなってしまった。式の感動とは裏腹にトホホであった。