富士フイルムは、プレミアムコンパクトデジタルカメラ『FUJIFILM X100S』を2月16日より発売する。APS-Cサイズの大型撮像素子と、高速処理が可能な画像処理エンジン「EXRプロセッサーII」、35mm版相当で23mmの画角をもつ単焦点レンズを搭載したモデルだ。
本機は、2011年3月に発売した『FUJIFILM X100』の後継モデルに相当する。『X100』は、往年の銀塩コンパクトを思わせるレトロかつ高品質な外観に、大型撮像素子と明るい広角単焦点レンズを組み合わせ、高画質と高い所有感をもつカメラとして人気を集めたモデルだ。また、ファインダーレスモデルが主流の中、光学ビューと液晶による電子ビューを組み合わせたハイブリッドビューファインダーも大きな話題となった。技術だけでなく、「ファインダーを覗いて撮る」スタイルによって撮影を楽しむことに主眼を置いたことで、コンパクトカメラの新たな分野を開拓した1台である。今回発売される『X100S』は、こうした前モデルのコンセプトを継承しながらも、新開発となる撮像素子や画像処理エンジンを搭載した。
新開発のAPS-Cサイズ『X-Trans CMOS II』センサーは、1,630万画素で、従来比約25%ほど解像力が向上。フルサイズセンサー搭載機に匹敵する高い解像感を実現しているという。また、従来比30%以上の低ノイズ化も達成しており、高感度撮影にも強く、これに従来比2倍以上という高速画像処理エンジン『EXRプロセッサーII』を組み合わせることで、起動時間は約0.5秒、シャッタータイムラグは約0.01秒、撮影間隔は約0.5秒と、高速レスポンスであらゆるシャッターチャンスに応える。さらに、独自の撮像面位相差AFによる世界最速0.08秒の高速AFを実現。コントラストAFと合わせ、あらゆるシーンで高速かつ高精度なAF合焦を可能にしたという。
レンズは専用設計となるフジノン23mm F2レンズを搭載。最適な光学設計が施せるという固定式単焦点レンズのメリットを活かし、撮影画面の中心から周辺まで高い解像感を追求しているという。独自の「HT-EBCコーティング」によりフレアやゴーストを抑制し、9枚絞り羽根によって丸くやわらかで美しいボケ味を作り出す。10cmまでのマクロ撮影が可能となった。
一方、ハイブリッドビューファインダーも進化。電子ビューの液晶画面が従来の144万ドットから236万ドットへと高精細化され、さらに見やすくなった。この他、左右にずれた像を一致させることでピントを合わせる世界初となる機能のデジタルスプリットイメージや、被写体のコントラストが高い箇所の輪郭を強調して表示するフォーカスピーキング機能、距離指標バーの表示やフォーカスポイントの拡大表示など、マニュアルフォーカス撮影機能も充実している。
ボディの天面と底面にマグネシウムダイキャストを採用、表面仕上げにはスチール感を演出する特殊コーティングを施すことによってクラシカルで高品位な外観をさらに進化させているのもうれしいポイントだ。
持ち運びに便利なコンパクトサイズでありながら、フルサイズ一眼レフにも匹敵するという高画質を追求、撮影する喜びと所有する喜びをもち、オーナーに高い満足感を与えそうな本モデル。価格はオープン、予想実勢価格は13万円前後の見込み。