もう20年近く昔のこと、左腕はもう動かないと宣告された。
キャンプ先で酔っぱらってマウンテンバイクを借りて
大転倒してヒジをグチャグチャに砕く骨折をした。
顔にもいくつもの傷を負い、今も跡が残っている。
とにかく大けがだった。
2つの病院に治らないと言われ、わらをもすがる気持ちで3つめの病院に行くと
「治す」と、スーパー手術を施してくれ、
ちょっぴりいびつなカタチになってしまったものの、何不自由なく過ごせるほどに完治した。
だが、それ以来チャリンコは嫌いだ。
事故を起こした下り坂なんか、大好きなバイクで走っていても嫌な気分になる。
その俺がチャリダーとして企画に参画することになってしまった。
「昭和40年男」の編集会議はホントにひどい。
とくに社内で編集にたずさわっている3人は、いじめを楽しんでいる悪い子たちなのだ。
以下、編集会議の一コマ。
「夏ですからなんか特別な経験とかした方がいいですよ」
「ふむふむ」
「空を飛びましょう」 (アホかコイツ、TOKIOじゃあるまいし)
「バンジーとかスカイダイビングとか」 (アホかコイツ、んな怖いこと誰がやるんじゃ)
「編集長お願いしますよ」
「ちょっ、ちょっと待った。俺、年齢とともに高所恐怖症がひどくなっているんだよ。第一、俺じゃなくてもいいじゃん」
「残念だなあ、僕たち昭和40年男じゃないからなぁ」
「…」
「チャリンコで北海道を走るなんていいですよね、夏の聖地」
「誰が行くのかなあ?」
「残念だなあ、僕たち昭和40年男じゃないからなぁ」
「…」
編集部では決めゼリフとして重宝されている。
というわけで、空から飛ぶのはなんとか回避できたものの、
あの日以来苦手のチャリンコは議決してしまった。
うーん、苦手はともかく、この不健康をまとって生きてきた俺が、
はたして夏の北海道の提案をしていいのだろうか?
だがこうなったら逃げも隠れもできない、やるっきゃないな。
雑誌づくりとは自分を予測もつかないところへと連れていってくれるのさ。
<追伸>
昭和40年男では本つくりを手伝ってくれる「タメ年」の方を探しています。
お気軽にメールくださいね。こうしたチャリンコ企画のモデルとか、
ダイエット企画の実験台になってくれる方とか(笑)。
こんにちは。
スカイダイビング楽しそうじゃないですか。
もしかしたらバイオニックになれるかも…男子は600万ドルの男か。
ただし痛い目をみた後でだけど(^_^;)
今はオートバイも高齢化でおっさんばかりだと言う話ですが(他人事のように
言いながら自分も復活組)、夏の北海道ツーリングって多いんでしょうか。
しかも自転車、ロードってこともないでしょうし、かなりハードそうですね。
なにはともあれ、スーパー手術したドクター、GJ!
P.S.
私らバブル最終班の後ろは氷河期の人たちなので、
「あの頃一緒に活動できなかった君たちと、いまこそ共に成し遂げたいのだ」
なんて言って、辛い企画も一緒にやらせましょう(笑)
チャリンコ通勤を始めようと思っています。ケツの皮がむけるってホント? 大丈夫なのか、俺?
と、不安な日々を送っています。
そうそう、スーパー手術だったのですよ。終わってすぐにレントゲンを撮ったときに、技師たちが俺の腕の写真を見て「これ、スゲェ手術だな」って言ってたのよ。全身麻酔のせいでなんだか意識がキチンとしていないのだけど、一度失ったと思った腕だったからうれしくてうれしくて、涙があふれていたよ。