夕べは〆切地獄を抜け出して、SIONさんのライブを観に代官山UNITなるホールに出かけてきた。久しぶりに編集部から出たシャバの空気はうまかったぜ。長きに渡ってSIONさんを支えてきたギタリスト、松田 文さんとのたった2人でのアコースティックライブだ。いやあ、すばらしいライブだった。もう何度観たかわからないくらいのSIONさんジャンキーな僕だが、アコースティックライブはこれまでチャンスを逃がしていた。
今回楽しみにしていたのは、昭和40年男のために書いてくれた曲、『独り善がりのアウトローより』を演ってくれるかどうか。というのは、誌面への登場をお願いして、念願叶って対談企画が実現したのが今年の8月号のこと。そしてそのときにおそるおそる、僕ら世代に兄貴から1曲頼みますとの無謀な依頼をしたからだ。それが『独り善がりのアウトローより』がそれだ。それを生で聴きたいというのは贅沢すぎるが、SIONさんはいつも最新のアルバムから多くの曲を披露するから可能性は高い。
オールスタンディングのホールにビッシリと埋まった客の前に主役が登場して、ライブが始まった。ギター1本だとSIONさんの声の表情が細かなところまでつかめてこれもまたいい。バンドのリズムに乗っかっているのもいい。どっちもいい(笑)。そして3曲目にキターっ、『独り善がりのアウトロー』だ。酒を酌み交わした、幸せ過ぎたあの日を思い出した。それにしても、無謀ながらお願いしてよかった。20歳の頃からずっと憧れ続けた男が、僕らの世代のために曲を作ってくれたうえ、こうして生で聴けたのだ。
もう1曲。この時期だと期待するのは、僕がSIONさんの歌を初めて聴いて衝撃を受けたアルバム『春夏秋冬』に収められた『12月』である。ライブで聴けたのは1度だけで、当然ながら12月に行なわれたライブだった。「12月、なにかやりのこしたようなやわらかな後悔をする」と歌われるこの曲に、僕がどんだけの共感を持っていることか。まさにそんな気分を味わっている今日である。真っ赤なお鼻のトナカイさんも歌ってくれて、クリスマス気分を満喫し感動をたくさんいただき、〆切からの逃避行を満喫したのだった。
おそらく彼の歌を聴いたことがない読者さんの方が多いだろう。それは人生もったいないぜと思うほど僕は好きだし、彼の歌に出会えたことを感謝しているほど愛している。やさしさと強さと弱さがバランスされていて、男を考えさせられる。人生を考えさせられる。違いのわかる昭和40年男たちはぜひSIONさんの歌にふれてみてほしいと思うほど、多くのことを教わっている。
暮れの押し詰まったところで生のSIONさんを聴けたのは、来年に繋がるでっかいエネルギーもらった気分だ。さあ、その前にもうひと踏ん張り、〆切作業をがんばるぜ!!
私も、代官山ユニット、行ってきました。高校生のころシオンに、はまり、それでも、その頃は、地元、北海道で、CDを夢中で聴いていただけ。
しばらくシオン離れをし、30代後半、初めて、高校生の頃の憧れのシオンに会えました。
年々、足を折ったり、大変なんだけど、年を重ねるたび、幸せそうになっていくシオンを見ると、安心します。
独りよがりのアウトロー、共感しますね。
いいライブでしたね。
うれしいなあ、おなじ空気を吸っていた方とこうして共感できるのは。最近のライブは『マイナスを脱ぎ捨てる』で必ず泣きます。『独り善がりのアウトローより』は、そこに1曲加わったかっこうでした。今回『新宿の片隅から』がなかったので、帰り道はなぜかこの歌がジングルしてましたね。また、一緒に同じ感動を共有しましょうね。コメント、ありがとうございます。