若きカワサキ乗りたちとの集い。

今日は、愛知県の蒲郡で今年最後となる主催バイクイベントを開催した。『カワサキオーナーズU29ミーティング』と名付けられた、僕が提案した企画である。

最近の国内バイク事情は、クルマ離れと同様に若者が入ってこないことが深刻な問題となってしまっている。つい先日新聞記事で見かけたのだが、最近の若者には面倒くさいというキーワードがあるそうだ。とかく手っ取り早いもので済ませてしまうのだとか。僕もバイクに乗るが、確かに面倒くさい部分はある。だがそれ以上に、おつりがたっぷりとくるほどの楽しさを知っているから乗るのであり、いったらギターだって歌だって、趣味と名のつくものは全部面倒くさいと片付けることができる。その中でもバイクは、もっとも高額な部類であり、そのうえ努力して乗りこなさなければならないのだから、確かに面倒くささのランクは1、2を争うだろう。だが、他の趣味では絶対に得られない大きな感動をつれてきてくれる。その感動に興味を持ってもらえるように、うちの会社では日夜バイク雑誌を作っているのだ。

雑誌だけでなく、得意とするイベントでも若者対策したいと悩み続けて思いついたイベントが、今日開催した29歳以下のライダーだけに参加対象を絞ったものだ。おっさんベテランライダーが幅を利かせるイベントには参加しづらいと考えているライダーに、ミーティングの楽しみを知ってもらい、その感動を友達に伝播してくれたらと考えた。それと、若いライダーがバイクから降りないように、出会いを通じてもっとバイクを好きになってくれたらと考えたのだ。バイク乗りには不思議な共感がある。旅ライダー同士がすれ違うときはピースサインを交わし合ったりしたものだ。これは最近あまり見かけなくなったが、不思議な連帯感を感じるのは今も変わらない。ましてや同じメーカーのオーナー同士であれば、タメ年ほどでないにしろ強い共感は生まれる。

こうした背景で企画立案して、去年にテスト開催して好評を得た。勢いに乗って今年からシリーズ展開して、今日は初の東海地区で行ない、結果的には約200人のライダーが集まる盛況となった。うれしかったのは「この会場でバイク仲間を増やしてほしいからドンドン周囲に声をかけてくれ」との僕のメッセージを素直に受け止めてくれ、まるでビジネス交流会のごとくみんなが「初めまして」と近づいていたこと。昨今の若者がどうだこうだと、大人たちは勝手にカテゴライズしてダメの烙印を押したがるが、今日の会場ではそんなことは微塵も感じなかった。むしろ、僕の若い頃の方がよっぽどダメダメだったかもしれないと感じたほどだ。微笑ましく、まるでお父さんのような眼で参加者を眺めていた47歳の僕だった。今年最後のバイクイベントは、来年へといいイメージで繋げることができた。

年下たちを相手にしゃべり続けた僕の勇姿をここに掲載する予定だったが、今年最後のイベントでうっかりをやっちまった。去年がひどい忘れ物イヤーだったことを反省して、今年は忘れ物ゼロイヤー達成目前だったのだが、この終盤になってついにホテルに忘れ物をした。そのせいで撮影した写真を読み込めないのである。今年のバイクイベントがせっかくいい仕上げになったのに、どこか抜けている僕なのだった。

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