いよいよ、明日は発売日だ。この言葉を書くたびに思い出すのは、昔『週刊新潮』が流していたテレビCMだ。景気よかったんですな。
今号の特集は俺たちが夢中になったブームを取り上げた。タイトルは見てのとおり『俺たちブームで大きくなった』として、数ある流行のなかから昭和40年男が強く影響を受け、その後の成長や人格形成にまで影響を与えたのではないかというものを6つ選んだ。これまでダラダラと僕の私見なんざを述べさせてもらってきて、最後の1つである。18歳を迎えた僕らとって自動車免許は大きな感心事であり、直結してクルマへの興味となる。高校を出て働き始めたタメ年たちや、大学に通いながら豊富な時間をバイトに明け暮れたりと、それまでの万年貧乏生活から脱却できたことも相まって、免許&クルマはターゲットとなる。ちょうどその頃に大ブームとなっていたのが『ハイソカー』だ。
と、わかったふりして書いているが、僕は自動車免許をもっていない。バイクは排気量制限無しに乗れて、小型船舶だって華麗にキメル男でありながら、四輪は乗れないのだ。いろんな理由が相まってはいるのだが、結局のところ興味が薄かったのだろう。昨今の若者がクルマに興味を持たなくてダメだ、草食だからだなどと新橋あたりの呑み屋で親父たちは叫んでいるが、すなわち僕もダメな草食ということになる。
記憶にしっかりと残っているのは、クルマを持っている者たちの愛の深さだ。まさに愛車状態のヤツばかりだった。中古でも新車でも、所有したものにとって最高の宝物であることはヤツらの目を見ればわかった。クルマはそれまでの人生で経験したことのない最大金額をつぎ込んでの趣味であり、その所有感と実用性の両方を手に入れられる。晴れてオーナーとなったその瞬間に、みんな大人になれるのだ。男だったら一度はクルマを所有した方がいい。そして得た翼を使って女の子をガンガン射止めた方がいい。わかっちゃいたのだが、結局手を出さなかった。その昔、ねるとんパーティなるお見合いパーティを開催していたことがあり、男性はクルマを持っていないと参加できない縛りを加えたものを展開したら、普段は集めずらい女の子をバッチリ集める事ができた。女の子にとってクルマを持っていない男なんかダメなヤツだったのだ。
ちょうど僕らが免許を取れる年齢になり、金を貯めて購入を検討し始めた頃、時代を牽引していたのはハイソカーだった。その後バブルへと向かっていく空気をそのまままとったようなクルマたちの物語を、常にクルマとともに人生を送ってきた編集部金子が綴った。入魂の8ページはコレまた必見。乞うご期待ですぞ。