昨日の『昭和40年男』満3歳を祝った『浅草秘密基地』は、参加者こそ10名とあまり多くはなかったが、心に残る一夜になった。僕は宣言どおり、イチゴののったショートケーキを買いに、浅草の老舗店に立ち寄った。カワイイお姉さんに「お誕生日ですか?」と聞かれ「はい」と答えると「プレートにお名前を入れられます」とのことで一瞬考えたが「入れなくていいですから、おめでとうのプレートだけ乗せてください」と、なぜかやや照れながら言葉を交わした。さらに「ろうそくを3本つけてください」なんてお願いしたのだった。おそらく息子の誕生日を祝っていた頃以来のケーキ購入に、ひたすら恥ずかしさを感じている僕だった。ビッとした老舗だけあって、箱詰めやリボン掛けは熟練の男性が丁寧かつカッチョよく包んでくれ、これを待っている間もなぜだか照れている僕だった。カウンターから出てきて手渡してくれるあたりも、さすがの格式を感じ、照れながらもいい気分で会場の『フィガロ』に向かったのだった。
到着したのはすでに8時近くになっていたのに3人しかいない。マスターと5人で、このサイズのケーキを食うのかと、甘いモノが得意でない僕はハラハラしていると、編集部員を含め次々に来てくれ、なんとかこのようなカタチになった。昨日の初参加は、昭和の話がしたいと足立と盛り上がっていた美しい女性と、岩手県盛岡から出張の機会を使ってきてくれたタメ年男、菊池さんの2人だった。「緊張しますよ」との初参加者の声は、皆さんの共通なのかもしれないな。いくらタメ年の集いとはいえ、見ず知らずのやろうども(女性もけっこう来る)が、ガッハッハと笑っている輪に入ってくるのは勇気がいる。よく考えたら、シャイな僕には無理かもしれない。だが菊池さん「来てよかった」を何度も繰り返していたのだった、ありがとう。
昨日の女性来場者は3人で、その1人から「好きです」と花束をいただいた…、てのはウソで、編集で参画してくれている葉月が、おめでとうと持ってきてくれた。花束なんて手にするのは何年ぶりのことだろう。記憶を辿ってもほとんどなく、先ほどのショートケーキ同様ひたすら照れる僕だったのだ。似合わないことこのうえなく、なんだか花がかわいそうに見えてこなくもなかったが、祝いの席ゆえ気分は良い。さらに、マスターがシャンパンを抜いてくれ、参加者にふるまってくれた。これまた万年焼酎親父の僕に、シャンパングラスに注がれた光り輝く酒は似合わないったらない。このお祝い三種の神器にすっかりまいった僕だった。
そして、生まれて初めて自分に向けて『ハッピーバースデイ』を歌ったのだった。実はこの店で、もうかれこれ20年以上弾き語りをやらせてもらっていて、お客さんの誕生日には必ず歌う。しかもちょっとブルースっぽく演るのが僕流で、昨日は♩ディア昭和40年男〜♩と歌ったのだった。貸し切り状態だった店は大いに盛り上がり、暖かく祝っていただことと、満3歳を迎えたうれしさに酔ったのだった。
※来週の月曜日は、店主メンテナンスのため店休とり『浅草秘密基地』は開催しません。