石原慎太郎さん80歳。

本人も言っていた、若いヤツらのなんとだらしないことか。今さら国政は石原さんを引っ張り出すことになったのだ。もちろん本人が名乗り出たかっこうだが、現在の体たらくが石原さんに火をつけてしまった。一気に騒がしくなった、相変わらずのパフォーマーぶりだ。

もう目前と言っていいだろう衆院選では、よっぽどのへまがない限り自民党は巻き返すだろう。そして維新の会は若干勢いは落ちているもののそこそこの善戦は予想され、さらに石原さんは高い人気を誇りやはりいい戦いとなるだろう。すなわち、衆院選後には国家論が強くなることは間違いない。朝鮮日報をのぞくと日本政治の極右化を予想していた。中韓との関係がここまで深刻になっているところに、まさに火に油を注ぐ平成25年となる。この波乱の年に我々は4度目の年男を迎えるわけだ。

石原さんの問題発言の数々には、許し難いものが多くあるが、政治家としての力量には感心させられることが多く、強いリーダーシップで東京をいい方へと導いた功績は数々ある。東京の空がこれだけきれいになったのは、ディーゼル禁止を断行したのが一因であり、空前のマラソンブームとなったのも、誰もが反対した東京のど真ん中での大会を断行したからである。新東京銀行をみんなで攻めるが、あれだって中小企業の活性化によって根本から東京を元気にするという理念のもとであり、問題はチェックのゆるいオペレートサイドにある。政府の経済対策による無担保融資だって同じことで、相当な額が焦げ付いている。余談ながら、政府系融資のチェックがゆるいことにつけ込んで、借りるだけ借りてつぶしてしまうという荒技を使う会社があった。

発信力に長けていることが、人気の高さに繋がっている。そのまま問題発言の多さになっているから、諸刃の刃といったところか。橋下さんも同じく、大マスコミを敵に回しながらも結果的に上手く利用していて、こうした抜群のセンスは2人に共通している。先日の『週間朝日』問題も結末は、橋下さんの大勝利と言っていいだろう。浮気報道のときはちょっとミスってしまい、勢い低下を招いてしまったように思えるが、今回の石原さんの旗揚げはそのまま橋本さんにも強力な追い風となるだろう。石原さんの決起に対するコメントの出し方は、やはりセンスを感じさせられた。まるで猛獣使いのごとく石原さんを利用しているとも見えてくるのは、もしかしたら発信力においては石原さんより一枚上手かもしれない。

「命あるうちに最後のご奉公」とのキャッチコピーはさすがだ。誕生日にはまるでやる気のない発言をしていたが、80歳にしてこのアクションに出るとはどこまで元気なんだ。自分が80歳でそんな決起ができるイメージはまったくなく、そのパワーが残っていることには脱帽である。彼自身の長い政治生命最後の大勝負に出たのはあっぱれだ。政治にしらけ気味だった国民にも、いいカンフル剤になるだろう。さて衆院選は、そして日本はどうなることやら。しばし、おもしろい駆け引きが続きそうだ。

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