昨日は連日続く激務からひととき離れ、楽しい時間を過ごした。僕が会長を務めている『Love the Earth』活動の10周年を祝う宴で、外部の協力者と内部で実行を担当してきた計6人での席だった。いろんな苦労をしながらの10年の総決算だからと、東京赤坂の土佐料理店を舞台に選んだ。ここは本場高知が本店であり、うちの会社が赤坂にあった頃はランチでよく世話になった店だ。
僕にとってちょっとしたネタが潜んでいる店だ。以前、高知に出かけた際に「よーし、いっぱつ奮発するか」と市内中心地にあった高級そうな店に入った。するとなんだか見たことのあるメニューブックで、最終ページをのぞくといつも通う赤坂の店、つまり昨日過ごした店のグループだったのだ。うまかった。確かにうまかったが、その席が今ひとつ盛り上がらなかったのは仕方ない。東京というモンスタータウンは、こんな残念なことを連れてくるのだ。
以前『昭和40年男』の企画で、東京から鈍行を乗り継いで九州最南端を目指す旅に出た。途中、宿を張った熊本でのことだ。名物である馬料理のうまい店を紹介してもらい出かけた。たしかにうまいがここでも…。メニューブックに東京銀座店の文字を見つけてしまったのは残念な気分になってしまう。せめて熊本産の馬だろうからと、念のため従業員さんにたずねると、オーストラリア生まれとのことで、テンションが落ちまくったことは言うまでもない。さらに台湾視察でのこと。ガイドブックで調べてうまい小龍包の店に出かけたら、ここでも新宿店の存在を知りすごく残念な気分となったのだった。
モンスターシティ東京は、幸せたっぷりな反面、つらつらと挙げてきたつまらなさも味わう。なんとも複雑な気分にさせられることもあるが誇るべき部分でもある。事実、昨日の土佐料理は先日行ったばかりの土佐の味を満喫できたのだから、文句はないよ。ないってば!!