リチャード・マークスさん登場。

『昭和40年男』も来ることころまで来たね(笑)。ついにグラミー受賞アーティストにご登場願うこととなった。今週末の公演のために、昨日来日したばかりのリチャード・マークスさんにインタビュー取材できたのだ。次号 (vol.16) の連載企画「ガツンとひと言。兄貴の説教」に登場いただく予定だ。

ソロデビューアルバムをリリースしたのが昭和62年だから、僕らは22歳だった。いい声と美しいメロディラインに感動したと同時に、女の子向けに仕入れた方が得策だと感じたスケベ男も多かっただろう。当時の僕らにとって、音楽は一つの武器でもあった。その中で彗星のごとく現れた彼の音楽は、その武器の中でもかなり強力なものだった。今聴いてもまったく古さを感じさせないメロディラインで、あの頃の自分がフラッシュバックした。

その本人にインタビューであり『昭和40年男』初の通訳さんを立てての取材現場となったのだ。
「ないす、とぅー、みーちゅー」と挨拶を決めると握手を求められた。ドキドキしながら、思ったより小さめで柔らかい手を握ったのだった。すばらしいことに売れまくっていた当時より、カッチョいい。これぞいい歳の取り方の典型である。加えて、世界中から支持された男だからなのかオーラがすごい。グラミーを受賞したのだから頂点に立った男であり、そんなレベルにいける男はひと味もふた味も違うのだ。質問に対する答えが明確であり、かつ、膨らませてしゃべってくれるのは、相当な集中力と回転がよくなければ無理だろう。しかも、この日は取材日となっていて、ウチの前が1時間を目一杯使って休憩無しで対応してくれ、しかもウチも時間ギリギリどころかオーバーさせてしまい、間髪入れず次の取材陣が入ってきた。いやあ、大変な仕事である。

来日中は完全オフの日をつくり、一人で東京の街を歩くそうだ。人気絶頂の頃はそんな余裕は無く、それにファンに取り囲まれてしまうから、世界中を飛び回っても街の表情まではわからなかったと振り返っていた。49歳になった大人のシンガーにはそんな余裕を楽しみ、楽曲作りにもきっと反映させるのだろう。もしも東京の街を一人で散策しているカッチョいい彼を見かけても、サインや写真なんか求めちゃいけない。静かに東京を楽しんでいただくことで、きっといい歌に触れられるはずだから。数々のコメントから感じたのは、仕事面でもいい歳の取り方をしていることで、これは次号のページを待っていただきたい。昭和40年男には効く言葉が並ぶはずだ。

19・20日は東京、22日は大阪でライブがあり、僕は20日に出かけてくることにしていて、延々と続く激務を忘れてめいっぱい楽しんで来ようと思う。それと久しぶりにリリースされた新譜には、再録音したベストアルバムが付いて発売したばかりだ。懐かしい名曲たちと、昭和40年男にとってたまらない今の彼がわかる曲の数々なんで、興味のある方はぜひ聴いてみてほしい。
 

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