鹿児島から帰って睡眠2時間に続き今日もほとんど寝られなかった。暮れに向けて激務続きで、耐えられるのだろうかというくらいのスケジュールが延々と続いている。それでも酒席はキチンとこなすあたりはさすがだなと、自画自賛していたりする、ハッハッハ。
そんな呑んべえである僕をうならせる、すばらしい立ち食いそば屋を見つけた。『せんねんそば』なるチェーン店で、最近の立ち食いそば屋のトレンドを完全に無視した名店(!?)である。立ち食いそば屋でありながら、じっくりと座って呑める。アルコール類が充実していて、僕が行く店ではビールに日本酒、サワーになんとホッピーまである。つまみもキチンとラインナップしていて、立ち食いそば屋としては意外なメニューが壁に踊っている。なんともうれしいのはお家芸である天ぷら類だ。僕がよく使う深夜は客がまばらだからかもしれないが、必ず揚げたてを出してくれる。天つゆ代わりで暖かいそばつゆを提供しくれるのもいい。
先日もタメ年男と2人で繰り出した。ホッピーセット2つを自販機で買い乾杯。この後のオーダーはその都度支払うから、2千円を100玉に両替してもらいテープルに無造作に置く。さっそく得意の揚げ物を頼んだ。鯵フライとかき揚げ各100円をオーダーすると、双方半分にカットして一皿ずつに盛りつけて運んでくれた。なんともうれしいサービスじゃないか。天つゆ代わりの暖かいそばつゆも、丁寧に2つ出てきて、この過剰とも思えるサービスはこのときの偶然でない。すべての『せんねんそば』が同じとは限らないだろうから、期待してもらいたくはないが、僕がよく行く2店はおよそこの程度のサービスは受けられる。想像の域だが、決してこのチェーンのマニュアルではなく、働いている人間の気持ちなのだと思う。共通しているのは、やや年配であること。これは新進の立ち食いそば屋と大きな差があり、立ち食いそばチェーン店の草分け的な『富士そば』も同様に年齢層の高い店が多い。
昨今の飲食店に吹き荒れている逆風の激しさったら、僕らが軽々しく口にはできないほどだ。耐えきれなくなり店をたたんだ小さな飲食店の親父さんや、閉店に追い込まれた旧タイプの飲食店の板前さんなどの受け皿になっているのではないだろうか。だから、こんな気の効いたサービスを立ち食いそば屋で受けられるのでは。
だがこれには負のスパイラルがある。立ち食いそば屋の手頃な値段を保つために、チェーン展開で薄利多売を実現させ、その競合になるファーストフード店も乱立しながら、それぞれが生き残りをかけて勝負する。そのデフレ傾向が飲食店全体に広がって逆風が吹きすさぶ。こうして巡り巡って僕とこの日一緒に呑んだタメ年男は、総額約3千円で締めのそばまでいただくフルコースと、価格に見合わないサービスを受けたことになるのだ。なんとも複雑な想いを抱きながら、酔っぱらい2人は名店を後にしたのだった。
こないだ秘密基地明けの朝、お世話になりました(笑)
ところでせんねんそば、ここ以外に店舗あるのでしょうか??
浅草国際通り・田原町駅そばのせんねんそばは、僕に今日もダメ人間だったとの修了証ハンコを押してくれる最高の店です。ホッピーとつまみ生姜焼き、〆にカレーそばが基本。三ノ輪店は広くてくつろげて最低で、ますます素晴らしいッス。