死について考える。〜その5 バカヤロー!〜

こんなことがあるのか。
あまりにもひどすぎる。
神様なんかいねえよバカヤロー、文句あんならかかってこい。

いやね、重い話が続きますが、
今まで半年以上バカ話ばかりを書いてきたのだからねえ、
すいませんがお付き合いください。

というわけで、宮崎の友に別れを告げ鹿児島に移動した。
夜は47歳にして逝ってしまったヤツとしみじみと呑んだ。
そして翌朝のこと、冒頭へとつながる。
会社から電話が入った。
「昨日の夕方、ガクさんが亡くなったそうです」

ガクちゃんはバイク関連の仲間で、プロレーサーである。
現役からは引退して大好きなバイク業界のために努力を重ねていた。
急激に友好を深めていったのは去年の9月からで、
俺が会長をつとめるLove the Earthのイベントに参加してくれて以来、
いったい何度一緒に呑んだだろうか。
昭和40年男ではないが「大新年会」にも応援に来てくれた。
いつも握手を交わしながら、二輪業界のためにがんばろうと誓い合った。
いろんな仕掛けを始めようと一緒に話していたのに。

バイクのテスト中の事故で、頭を打ったそうだ。
1ヶ月近く意識が戻らず、そのまま逝ってしまった。
集中治療室にいる彼を、ご家族には申し訳ないと思いながらも訪ねた。
ホントにいろんな約束をしていたが、やっぱり呑む約束が彼を目覚めさせるに一番いいと思って…。
「ガクちゃん、明日呑む約束だったじゃん。起きてよ」
手を握りしめながら言った。
きちんと自分で息をしていた。
それがなにより安心させてくれた。
だからちょっと先になるとは思ったけど、必ずまた呑めると信じていたのに。
…なんだよ。

この夜は、昨夜に続いてしみじみと呑んだ。
涙が止まらないから、ホテルの部屋で1人で呑んだ。
ちっともうまくない酒を、次々に体に流し込んでいった。

さようなら、ガクちゃん。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で