表紙を考える。

またまた、ものすごいスピードで1ヵ月が過ぎ去った。締めとなる今日はイベント『Love the Earth ミーティング』で、台風情報にびくつきながら昨日より準備を進め、そんな状況のなかで約400人の参加者によって海岸のゴミがものすごい勢いで集められ、嵐のなかなんとか無事終了した。僕は全体の進行を見ながらMCを担当し、ついさっき帰宅したばかりで、全身におおい被さっているかの疲労感と、なんとかやりきった充実感を感じている。早いところビールを呑みたい。

明日より10月になる。今年最後の発行となる16号の制作が佳境に入り、バタバタとする日が続くことだろう。奇数月11日発売であるゆえ生じる苦しい状況は、その次の17号は年内にすべての作業を終えて印刷まであげておく進行となる。年内に作り終えての新年号なのだ。苦しい苦しい年末進行というヤツに、もっとも影響を受ける発行日程で、現段階で2冊が頭にちらついているなんともいえない焦りの日々を過ごしている。まあ、それが終われば楽しいお正月となるのだから、頑張りがいもあるってもんだ。

去年の今頃作っていたのが、昭和40年男が憧れたものをかき集めた特集で表紙の大リニューアルを敢行した。この時代にウォークマンをこれだけフューチャーしてリリースできるのはウチぐらいのものだと胸を張ってリリースしたのが、まさに昨日のことのようだ。

僕らのような宣伝広告費をジャブジャブ使えるわけでない出版社にとって、表紙ってヤツはもっとも効く広告物とも言える。書店の棚でターゲットの皆さんに直接アピールできるのだから、いつも悩みながら作ってきた。創刊から9冊を続けた白地べースでいろんなものを細かく散らした表紙も考え抜いてのことで、毎号いろんな工夫もした。雑誌が特集ワンテーマによって構成されるのが、ここ近年は主流となっていて、それらが成功の方程式だってことも知っている。でも『昭和40年男』は、いろんなものがぎっしりと詰まっている、僕らがかつて大好きだった雑誌のスタイルを貫いている。このスタイルを見せたいとの、僕の貧乏根性が出たのが9号までの表紙だった。だがいろんな企画を詰め込んであっても、巻頭特集は雑誌の核であることは相違ない。ましてウォークマンだったら勝負するのに値する強い存在だろうと打ち込んでみたら、この表紙にものすごく大きな反響をいただいた。それならと続けて、忌野清志郎さん、フラッシャー付き自転車、矢吹丈と力石徹、伊武雅人さん、そして今号の松田優作さんが表紙を飾ってきた。出す度に毎度騒動が起きていて、しばらくはこれでいこうと考えているから、表紙のスタイルが固まった1冊にもなったのだ。

昔から夢描いてきた、いつかやってみたいのが写真を使わない表紙だ。もしくはその逆で、雑誌タイトルと決まり文句だけしか入れないで、特集を写真のみで表現するというもの。こんなことを夢見てしまうのは、写真と文字のバランスばかりをいつも考えている裏返しで、その恩恵を知り尽くしているからだろう。でもね、出版人生で1回くらいは…、やっぱり夢のまた夢なのだろうな。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

1件のコメント

  1. 今でも、あのウォークマンの表紙が一番のお気に入りです。

コメントは受け付けていません。