ブログと本誌の連動企画で、地味な存在ながらvol.1から続けている3番勝負について、出題者である僕の私見を述べている。ぜひふるってご参加いただきたい。
今回の懐かしのナンバー2対決の第3ラウンドは、ここまでの2つが色男だったのに対して、ちょっと変化をつけたく梶原作品を彩った2人に登場願った。さすが梶原さんと今さらながらうなってしまう、濃いキャラクター同士である。ただ、ナンバー2とするには少々無理がある。かといって力石徹vs花形満だとライバル対決になってしまうし、梶原ワールドは入れておきたいしでこの対決とした。
マンモス西といえば当初はジョーの格上的な存在で登場した。徐々に打ち解けていく過程だったり、うどんで裏切ってしまうシーンだったりと、なにかと忙しく無口なジョーを補っているかのごとく、物語にテンポをつけている。そうした意味ではまさしくナンバー2なのだが、大きく存在感を放ったのは紀ちゃんと結婚したくだりだ。『あしたのジョー』は、ジョーを巡っての紀ちゃんと葉子の恋物語も重要な要素になっている。紀ちゃんがジョーの大好きなトマトのサンドウィッチを差し出し、うまそうに食った後に交わされた2人の語らいの瞬間だけが、恋が成就したときであり、この後の真っ白な灰の話を力説したところで、紀ちゃんはこの恋にけじめをつける。結果、マンモスと結ばれるわけだが、披露宴でのジョーの挨拶時に伏し目がちになる紀ちゃんに、僕らは恋と結婚の難しさを教わったのだ。ラストシーンで葉子にグローブを渡すまでにいたる恋物語のために、マンモスは大きな役割を果たしたことになる。結婚後はほとんど登場しないことにも、やはり西の最大の仕事は紀ちゃんとの結婚だったのだ。
一方の判は高校時代からの親友であり、投手に対して捕手であるのだから、これまさにナンバー2である。だがご周知の通り、投手生命をかけて投げ込んだ大リーグボール3号を打ったライバルでもあり、結局疲弊しながらのスイングだったから一塁まで走れなかったことで、父一徹は敗北だとする。見ている我々にはつらい対決であり、死力を尽くしたすばらしい対決でもあった。そして親友であることを確認しながら、僕らは涙を流したのだった。
2人共に、主人公に対する愛にあふれているのがいい。太っちょなのもよく、愛すべきキャラで友達にしたいタイプである。だが、どちらがナンバー2として優れているのか優劣をつけることになる。悩みに悩み抜いたうえで投票してくれ。