ローム、アクアフェアリー、京都大学の3者は、携帯用電源として使用できる小型、軽量、高出力の水素燃料電池を共同開発した。
水素と酸素の反応でエネルギーを作り出す燃料電池は、反応によってCO2や有害な物質を出さないことから次世代モビリティの電源として注目を浴びたが、水素そのものは取り扱いが難しく小型化が困難、またメタノールなどを使ったものは高出力化が難しいことから、やや頓挫しているフシがある。一方で、補充すればすぐに使えることから携帯機器への応用が期待されている。
今回、ロームとアクアフェリーは、独自の技術により水素化カルシウムをシート状に固形化することに成功。体積3ccに満たないシートと水から約4.5Lの水素を発生させ、5Whの電力を発生させられるという。小型かつ常温動作が可能なことから、スマートフォンなどの充電、タブレットやPCなどのバッテリーや、アウトドアや僻地での動力源、災害用バックアップ電源としても使用できるという。水とカルシウム系燃料を使用しており、二酸化炭素や有害ガスなどを一切排出せず、廃棄時も一般廃棄物として廃棄可能だ。もちろん、充電だけでなくメインバッテリーとしても応用可能であろう。
今後、信頼性評価やさらなる改良を進め、2013年の製品化を目指すとしている。日頃、出先でのモバイル機器の電源確保に苦労しているビジネスマンも多いと思うが、コンビニで専用燃料を購入すればOK!なんていう時代がもうすぐそこまで来ているのかもしれない。