まだまだ独立創刊の興奮が冷めないどころか、ますます熱を帯びている僕とその周辺だ。本誌編集後記では書ききれない、編集現場での姿をありのままにこの大編集後記 (vol.15) をお届けしている。
誌面全体から見ると地味な存在のページかもしれないが、タメ年男たちの奮闘記は創刊以来ずっと大切にしている。その最先端にある企画が「荒海を生きるタメ年たち」とタイトルした連載だ。独立創刊前の、まだ臨時増刊時代の第1号 (あー、ややこしい) から「タメ年のスゴイやつ」と「自分色に生きる」の2つのタイトルでインタビュー記事を展開してきた。
「タメ年のスゴイやつ」では、1発目に登場してくれた西武の渡辺久信さんや、自分で執筆した本木雅弘さん、宇宙飛行士の野口聡一さん、たった一人でカメラとパソコンを担いで沖縄キャンプで捕まえた山本 昌さん (1軍復帰おめでとう) など、そうそうたるタメ年男を掲載してきた。一方の「自分色に生きる」では著名人というより仕事でものすごい功績を持つ方々に、多数ご登場いただいてきた。がんばっているタメ年を知ることで自分を奮い立たせてもらうことがテーマだから、著名もへったくれも関係ないと前号で2つの企画を統合し前述のタイトル「荒海を生きるタメ年たち」に変えた。
創刊以来何十人もの方に登場してもらったが、今回初のチャレンジとなったのは、中野さんと鮫肌さんの2人同時にご登場願ったことだ。共に放送作家という職業で、そうそうたる番組を担当している2人だから、ご存知の方も多いことだろう。取材現場でしみじみ感じたことは、タメ年のシンパシーだった。実はインタビュー前に2人で作っているラジオ番組にゲスト出演させてもらったのだが、初対面とは思えないくらい互いに互いがわかりあえる。それは収録後に立ち会ったインタビューでも然りで、頷くことが本当に多かった。2人同時に出ていただき、さらに僕を含めた3人のタメ年がテーブルについたことでいいグルーブが生まれたと思う。スムーズな会話になり、終止爆笑の絶えない対談だった。編集部の葉月がまとめ込んだこの記事は、手前味噌ながら満足のいくページである。とくに締めとなったこれからへと向かっていくタメ年の心境を語ってくれたあたりは、僕も深く頷くところであり、おそらく皆さんにも深く届くことだろう。まだ読んでいない方はじっくりと噛み締めてほしい。
今、楽しみなのは、この2人と仕事というフィールドで悪巧みができそうなこと。忙しいくせに「なんかおもしろそうだよね」と、無理できてしまうのも昭和40年男のいいところだ。この何週間かで方向性が決まることだろう。まだボツの可能性ももちろんあるが、さてさて、どうなることやら? スタートしたらここに公表させてもらう。