『昭和40年男』創刊!?

なにをおかしなタイトルをつけているんじゃ。夏の暑さにやられてしまったか編集長? いえいえ、僕は正気ですがな。本日は大安で、しかも11日のイイ日なので発表させていただきましょう。『昭和40年男』は次号9月11日発売号より独立創刊となりま~す。パチパチパチ。

「???」
多くの読者諸氏にはなんのことだかわからないことだろう。今まで発行を続けてきて、次号で15冊目となる『昭和40年男』がいまさらなにを独立創刊とかぬかしているのか。読者さんにとってはどうでもいい話かもしれないが、僕にとっては酒をガブガブ呑んじゃうくらいうれしいことなんで、ご説明させていたただこう。

雑誌は委託販売であり、全国に何万とある書店さんに納品して売り上げの精算回収をするには、どんな大きな出版社でも、その機能を自社内に持つのは現実的でない。だからその業務を一手に引き受けてくれる問屋の存在が重宝される。最近ではネット販売も増えてきているものの、いまだ販売総数には遠く及ばず、現状において問屋の存在は出版社にとって欠かせないものだ。

膨大な数の雑誌を管理するために、各雑誌にはコード番号が振られる。これを我々は出版コードと呼ぶ。一種の免許のごとく扱われ、売買の対象になることさえある。ひと頃より神通力は落ちたものの貴重なものだと思っていただければいいだろう。販売管理をするためのそのコードを管理しているのも問屋であり、彼らが認めた雑誌にだけコードが与えられる。なんでもバンバン売れる時代ならまだしも、出版不況が長引く市場ゆえ、新規のコードはできるだけ出したくないのが問屋の本音だ。不況下で効率を求めるのは、ビジネスとして当然のことだ。

では新規の雑誌にコードが一切でないのかというとそんなことはない。問屋をその気にさせればいいのだから。
「今度の雑誌のマーケティングはこれこれこうで、表紙はアイドルグループ○○○の水着で決めますよ。それと新聞広告と中吊り広告はこれだけやって、そうそう、銀座の百貨店を使って大キャンペーンもやりますから」「はーっ、力入ってますね」と、コードが出る。だが、こんなことができるのは、ホンの一部の大手だけである。我々のような規模の出版社はどうするか? それが、『昭和40年男』がこれまで続けてきた臨時増刊というやり方だ。

うちはオートバイ雑誌ではちょっとは名の知れた会社で、現在4つのコードを持っている。たとえば月刊誌ならその数だけ、すなわち年間で12冊の臨時増刊を発行できる権利があるのだ。これを使ってテスト創刊するのは、莫大な宣伝費や話題のアイドルを使わなくても比較的認めてくれやすい。『昭和40年男』の表紙をよく見ると『タンデムスタイル臨時増刊』との文字が、小さいながら入っている。つまり我々はこれまで14回のテスト出版をしてきたのだ。

大きな書店の検索端末で苦々しい思いをしてきた。『昭和40年男』と入力すると扱い無しになってしまう場面が多々あったのだ。『タンデムスタイル』から打ち込むとやっと出てくる。でも一般のお客さんはそんなことを知らないだろうから「なんだ、ないのか」と、書店を出て行ってしまうはずだ。だが、次号からは堂々と一人前の認可を得た雑誌として発行となる。は〜、長い説明になったが、これまで続けてきてそこそこの売り上げが出るようになってきたから、問屋よりどうぞという場面になったということ。これは我々にとって1つ目の大きなハードルをクリアしたことになるうれしい評価で、いつも応援してくださる皆さんのおかげだ。ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。では、かんぱーい!!

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4件のコメント

  1. 独立創刊おめでとうございます。
    そんなシステムなんですね、初めて知りました。
    この年齢になってもまだまだ勉強ですね。

    これからも楽しい誌面楽しみにしてます!

    • ありがとうございます。次号もご期待にそえるように頑張りますので、よろしくお願いします。

  2. はじめまして。
    今日ふらっと入った書店で初めてこの雑誌を見つけて思わず(?)購入しました。もちろん昭和40年生まれです。

    独立創刊おめでとうございます。
    アルバイトながら某大手書店(の今はもうない渋谷店)の入庫や返品を担当したこともあるので「大変さ」が判っている…つもりです、ほんのちょっとかもしれませんが。

    ということで(?)創刊号から続けて購入します、「臨時増刊」号が面白かったので。

    • 初めてのメッセージありがとうございます。返品のご担当ですか? どうしたら書店さんに返本されにくいか、ご教授願いたいものです。創刊号よろしくお願いします。

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